大阪市営地下鉄開通50周年記念復刻ポスター(後編)
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ポスター(その4)

前回記事の梅田本駅の開業から僅か1ヶ月足らずで心斎橋~難波駅の延伸工事が完了し、
昭和10年10月30日難波駅が開設した。
これは、その時のものである。
当時の難波駅は島式1面2線の地下駅で、それまでのドーム型の壮麗なホームではなく天井の低い箱型のホームであった。これはホームと地上との間の空間を地下商店街として利用しようと計画したとの事だ。
※大阪市の宣伝映画「大大阪観光」の4分08秒あたりにこのポスターが車内吊広告として一瞬だけ登場する。
梅田・難波間の駅は、利用者が車中から一瞥して見分けられ、その利用の便に資するように壁面タイルの色調を駅毎に変えていた。
梅 田 : 薄橙色
淀屋橋 : 水色(土佐堀川の水面)
本 町 : アズキと抹茶色(北御堂のお供え物)
心斎橋 : 薄桃色(ミナミの盛り場)
難 波 : 黄 色
※梅田と難波の色調の理由は不明であるが、この当時ともに終点ゆえに乗客に乗越し注意を喚起する必要なかったためか?

その後の南延については、さらに3年後、難波駅~天王寺駅が延伸したことにより昭和13年4月21日天王寺駅が開業した。

昭和13年開設当時からの行灯式照明灯は、ホームから東口改札への階段に一基だけ残されている。
思えば、ここで70年以上も光を放ち続けていることになる。(2009.07撮影)

そのほかの照明は、8本の蛍光灯をパラソル型に組み込んだユニークなものになっている。
また取り付け場所は、ホーム中央ではなく、ホーと線路の境目あたりというのが、面白い。昔の行灯式照明と同じ場所である。(2009.07撮影)
当時の工事費は、天王寺駅150万円、動物園前駅70万円、大国町駅130万円となっている。
梅田駅の300万円には及ばないが、この天王寺駅も大阪市の威信を賭けた大工事であったことには違いない。
このことは、現在でも地下宮殿のような同駅の様子からも容易に理解できる。

高い天井には程よく調和する照明器具であるように思うとともに、格天井の柱の四隅の照明も時代を感じるものとなっている。(2009.07撮影)
(参考)

露天掘りで進む地下鉄1号線建設工事の様子(昭和12年) 阿倍野橋南詰から北東を望む
中央の白い建物が省線の天王寺駅で、後の建物が阪和電鉄の阪和天王寺駅となる。
ポスター(その6)

また、その後は戦時体制もあり工事進捗ははかどらず、天王寺~昭和町駅の延伸は、戦後の昭和26年12月20日まで待たなければならなかった。
(H25.5.6 追記)
大阪市交通局は、地下鉄開業80周年を記念して、開業当時の地下鉄車両「旧100形」の展示を実施。
実施期間は2013年5月1日(水)~24日(金)で、実施場所は大阪市役所玄関前。また、「車両の歴史をふり返る」説明会を5月19日(日)に開催。開催時間は10:00、10:45、11:30の3回で、各回約40人で実施(受付は先着順)。5月20日(月)10:00~、同車両の前で開業80周年記念式典が開催。

淀屋橋を渡る途中でその姿は確認できた!

100系車輛のある風景 (H25.5.6撮影)

(同上)
ひょっとしてお互い80年ぶりの邂逅かもれない♪


1日1回 ぽちっとね♪
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Comment
2013.05.05 Sun 23:18 | 大大阪・・・
「大大阪観光」は、事あるごとに幾度も見た映画です。ご指摘のポスター、しっかりと拝見させていただきました(南海難波駅が登場しますが、これは「大大阪観光」とは別物の映画のようですね)。
難波駅はおっしゃるとおり、ホーム自体は特に変哲のないものですが、中階にホームと同規模の通路を設け、今でいう駅ナカを設けるという画期的な構想だったそうですね。
「四月下旬開通 地下鉄 梅田-天王寺」のシールを所持しており、ブログでも公開させていただいたことがございます。
http://205-161-205.at.webry.info/201006/article_8.html
二つ目の動画は、地下鉄建設工事と開通の様子を記録した映画のようですね。これも教育テレビやイベントで見たことがございます。非常に暗いですが、天王寺駅の行燈型の吊り灯具は本当に素敵に写っていますね。今でも古さを全く感じさせません。
これらに写っている地下鉄車両がいま市役所前に展示されています。復元保存されていることが素晴らしいと思います。
2013.05.08 Wed 06:33 | *のりさん おはようございます
「大大阪観光」は戦前の絶世期の大阪を伝える貴重な映像だと思いますし、今見ても元気をもらえる気がします。そんな時代に開設された地下鉄1号線は、誇るべき大事業であったと思い知らされます。
ご指摘いただいた、市役所前の100系車輌の様子を追記しました。日銀・大阪支店はその大事業をずっと見続けていると思えば、感慨深いものがありました。
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