太っ腹な“関西文化の日”・・・博物館はしごの一日
- Thu
- 06:30
- ∇浪花ほとがら散歩 - ├大阪市旧東区エリア

平成24年も“関西文化の日”がやってきた。
今年は11月17日と18日がメインとなって、数多くの博物館・美術館の入場料がタダになるので、このときとばかりに預けてあった博物館はしご訪問を、小学生の息子とともに実行する。
1件目は、重要文化財の“適塾”である。
隣接する日本最古の幼稚園である「愛珠幼稚園」には何度か訪れたことがあるが、こちらは初めてだった。

今橋には、鴻池家の本宅があったが、建替えられてしまったので、この界隈では、江戸の名残を伝える貴重な建物だ。
現在の所有者は、大阪大学である。

玄関はこちら
今日は見学無料とあって、10時半というのにそこそこ入場者が多い。

多くの塾生の賄いをここでしていたのかと思うと、こじんまりしているように思う。
福翁自伝には、日によって献立が決まっていたと記してあったように、このスペースでなんとかなったのであろう。

2階の塾生部屋
優秀な者から居心地の良いところが与えられたらしいが、人の出入りが多い階段前を除けばどの場所も明るくて居心地は悪くなさそうだ。

こんなに細るまで塾生に鬱憤をぶつけられた心柱は、気の毒でならないが、その激しい気概を今の学生に少しは見習って欲しいものだ。

明治の名士のほかに手塚治虫の曾祖父である手塚良庵(良仙)の名前もその塾生の中にありました。
常州府中とあるので、茨城・石岡の藩医の家系だったらしい。
前日には、息子に福沢諭吉の本を読んでおけといったが、何か感じるものはあったのだろうか。
2件目は、天神橋筋六丁目(天六)の“大阪くらしの今昔館”へ

こちらには何度か訪れているが、模型が秀逸なので再訪したのだった。

江戸末期のなにわの町並みが原寸大で復元されている。
中国からの若い観光客が和服に着替えさせてもらってキャッキャ騒いでゐる。この遠来からの訪問者たちには国家間摩擦はなさそうだ。

路地には柴犬がいるし、屋根の上にはネコが・・・

この堺筋平野町の精密模型は、何度見ても見飽きることがない。
澤の鶴ビルは大きな現代的なビルに立て替わった(しかしもうだいぶの年月を経ている)が、その前の様子が知れて勉強になる。生駒時計店のビルが、往時も現時もこの地のランドマークとなっていることには変わりない。

こちらは、戦前の空堀通りの様子。
ここは戦災を逃れた地だけに今でもこの風情を色濃く残す場所があちこちに存在する。

城北の戦災バス住宅
戦後の住宅難を現しているのだろうが、話には聞いたことがあるが、ここまで模型化するか~と、製作者のマニアぶりが感じられてならない。

凝ったことに模型を暫くみていると、このようなズームアップした景観に展開されるのだ。

古市の団地もできた当時は庶民の憧れだった。
神戸のポートタワーのような給水塔も懐かしいなあ。

上記のズームアップした模型の登場・・・どれだけマニアックなことか!
傍らには、ダイヤル式チャンネルのテレビが展示してあったので、そのチャンネルをガチャガチヤ回させながら、「おとうさんが、いつもテレビのチャンネル回せ!という意味が分かったやろ。」と息子にいうと、ようやく腑に落ちたようだ。
21世紀の子どもに説明するのは骨が折れる。ともかくメデタシメデタシ。
明治から昭和の大阪をたっぷり楽しんだ後は、古代の大阪へ
天六で昼食のすしをつまんだ後は、3件目となる谷町四丁目(谷四)の“大阪歴史博物館”

ここも初訪問となる。いつでも来られると思っていたら、オープン以来随分年月を経てしまったものだ。

この難波宮は、その存在が複雑で、飛鳥・板蓋宮のあとに登場した難波長柄豊崎宮と平城京を挟んでその後長岡京の直前との2回歴史上に登場する。
暫くここで映像による説明があり、終わるとそのスクリーンが上部に上がりガラス窓の外が目前に現れる。

そこにはこのような現在の難波宮址が姿を見せるという、心憎い演出手段をとっていた。(拍手!)

フロアを変えるたびに時代が下がってくる。
こちらは江戸期の大阪

堂島の広島藩の蔵屋敷には、外からは見えないが、敷地内にこのような舟溜まりが作られていて、そこで荷役が行われていたらしい。
大阪駅の北ヤードにも出入り橋からの掘割により同じく大きな舟溜まりがあったことを思い起こさせる。

フロアを移動するエスカレータの踊り場というべき箇所からは、その都度目の前にこのような一等風景が広がるのが素晴らしい。

「のぞきからくり」は子どもの頃、一度祭礼の境内で見たことがあったが、一度も利用することがないまま、知らぬ間に消滅してしまった。


最後は“大大阪時代”をたっぷり満喫。

古代から昭和までの大阪の歴史をハシゴした一日だった。
息子はどれだけ理解してくれたのか、やや不安であるが、マンガ本やゲームで一日を過ごすより有意義な一日であったであろう・・・。
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Comment
2012.11.24 Sat 15:27 |
有意義ないい一日を過ごされましたね。
最近は予算の都合(爆)にてなかなかお出かけすることがなくなってしまいました。いつもの住吉付近でお茶を濁しております(それがまたいいのですが・・・)。
2012.11.25 Sun 14:07 | *のりさん こんにちは
こちらも財布と相談して電車賃だけで楽しめるところを見つけた次第です。
住吉方面は、七五三で賑わっている頃でしょうね。
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