平成5年 阪神電鉄・福島駅の地下工事レポート
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- ∇鐵道ほとがら帖/平成編 - ├平成元年-平成5年

平成5年8月22日(日) 地下工事の進む阪神電鉄・福島駅周辺をパトロールした。
(註) この当時、阪神電車は、地下の始発駅梅田を出ると今でいうところのハービスOSAKAの東端あたりから地上に出て高架駅の野田阪神までは、地上路線を走っていた。
これは、国道2号線「出入橋」交差点の様子。前に見える踏切もいままでと寸分違わぬ日常風景なのだが・・・。

あとわずか2週間足らずでこの界隈は、地下路線となり、この踏切はその姿を消すこととなる。
そうとなれば、この界隈を記録しておかなければと、思い立ったが吉日、買ったばかりのCONTAX-T2を片手に気楽なフォト・ウォッチングに出かけたのだった。
因みに、このあたりには、阪神電車の「出入橋駅」があったのだが、昭和23年には廃止されてしまった。

(昭和8年 大阪最新地図より)

この地下工事は、開かずの踏み切りと嫌われていた出入橋・浄正橋・福島西通踏切の解消とばかり思っていたが、それだけではなく西梅田一体の区画整理事業にも関与していた。
そもそもその端緒は、昭和54年の国鉄総裁から大阪市長に貨物ヤード跡地利用計画の策定が依頼されたことに始まる。
その対応として大阪市は昭和59年西梅田地区の土地区画整理事業を承認し、「西梅田地区再開発地区計画」がスタートした。
この区域の幹線道路や区画街路、ライフラインの整備を主体とする事業を行ったが、阪神高速道路梅田ランプ移設によって東西幹線が貫通したほか、2号線の地下に阪神本線を移設する工事もその一環として行われたのだった。

出入橋から歩くとまもなく阪神・福島駅に到着。
これはその福島駅の東端の様子。
準急の甲子園行きは、同駅に停車するようだね。駅の周辺は、うらびれた場末の雰囲気が漂う一帯となっていた。

福島駅の西端に回って、なにわ筋の悪名高き“浄正橋筋踏切”を望む 奥にはJR福島駅の高架がみえる。

なにわ筋より東を望めば、福島駅の全体が見渡せる。(梅田よりの空はこんなに広がっていたのか・・・)
ホーム様式は、阪神電鉄の標準仕様のものとなっている。両ホームの改札外には、跨線橋ではなく地下通路が設置されているのが阪神らしいといえる。


平成25年1月現在の同所の様子
2軒奥にある四角い3階建のビルがなければ同じ場所の写真とは分からないであろう。

なにわ筋・浄正橋筋踏切を渡る赤胴車


JR環状線のガード下から見れば、こんな様子だった。この日は日曜日なので自動車の量は少ない。

平成5年9月4日(土)を最期に、その名を馳せた“開かずの踏切”もそのお役目を終えた。

その後、平成5年9月11日にJR福島駅高架ホームから俯瞰した浄正橋筋踏切付近の様子

早くも踏切自動遮断機装置はその一切の姿を消していた。
(つづく)
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Comment
2013.03.10 Sun 19:09 | 魔の踏み切り
地上時代の阪神福島駅、懐かしいです。
浄正橋踏み切りはラッシュ時正に開かずの踏み切りとなり、よほど時間に余裕を見ておかないと遅刻必至の難関でした。
今や福島も梅田の膨張で様変わりし、市内きってのグルメゾーンですもんね。
- #-
- サットン
- URL
2013.03.11 Mon 08:02 | *サットンさん おはようございます。
大阪市市民であれば、TVの交通情報で毎日耳にしていた開かずの踏切。市内でもっとも有名な踏切でしたね。
今でも旧線路沿いには古い民家の並ぶ地域が残っていますが、もうこれ以上の大規模開発はなさそうです。
2013.03.16 Sat 22:32 |
学生時代には、環状線の車内から垣間見える、コンテナヤードの向こうの方から姿を現す阪神電車にワクワクしたものです。
地下化工事、本当にやっちゃったんですねぇ、と今更ながら感激してしまいます。
2013.03.17 Sun 15:57 | *のりさん こんにちは
阪神電車が地上に出た姿を環状線から眺められたのは、今のリッツカールトンHあたりでしたでしょうか。
手前はコンテナヤードでしたが、晩年はスキーバスの溜り場になってました。そんな時代もありましたね。
2022.08.10 Wed 05:43 | *志方さんこんにちは
御指摘ありがとうございます。
私の記憶もあいまいだったところです。記事を修正させていただきます。
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