JR東海道線ガード下にみる戦争の痕跡

平成5年9月 福島区鷺洲五丁目所在のJR東海道線ガードに立ち寄った。
何故ならば・・ここのコンクリート壁面に、先の大戦において米軍の戦闘機P51・ムスタングによる機銃掃射の痕跡があると耳にしていたからだ。


硬いコンクリート壁を穿つ数多くの不規則な蜂の巣状の“くぼみ”がそれである。
薄暗く人通りのないガード下でその“くぼみ”を一人凝視する。
堅固なコンクリートにこれだけの穴を穿つ銃弾の威力を想像すると、ゾクリと戦慄を感じた。

昭和20年6月7日の空襲の時、ガード下に逃げた民間人を狙ったものか、線路上の列車を攻撃したものと思われる。
(参考) 西鉄電車が筑紫駅付近でP51の機銃掃射を受ける様子
生々しい戦争の痕跡を目の当たりにして、さまざまな考えが頭を巡り、ひとり沈鬱なる気分に陥った。
そんな重い気持ちを払拭すべく、近くにある淀川の明るい土手の上に出た。


淀川の土手から見る風景は、おおらかで気持ちが好い。

そのまま上流に向かって歩き続け、十三大橋までやってきた。
阪急マルーンは眼に優しいね。

CONTAX-T2で鉄橋上を快走する阪急電車を撮影する。
しかしながら、オートフォーカスだとタイムラグがあって物凄く気持ちが悪い。

思ったところでシャッターが切れない。レリーズしてからシャッターが切れるまで僅かだが時間がかかっている。
マニュアル機しか使ったことのない者にとっては、物凄いストレスを感じる。
嗚呼、これでは鉄道写真には使えないなあ・・・大枚はたいて買ったカメラだったのに・・・と再び暗澹たる気持ちになりながら重い足取りで十三大橋を北に向かう。

(後日譚)
シャッターのタイムラグは、オートフォーカスの作動する時間だということが判明したため、マニュアルフォーカスに切り替えて無限遠にしてレリーズすれば、そのタイムラグがかなり軽減することを発見し、溜飲を下すことになるのだが・・・。

この日ばかりは、そのままの暗い気持ちを引きずりながら新御堂筋までやってきた。
地下鉄・御堂筋線の車輌は、絵にならないなあ・・・とムシャクシャした思いで撮影を終えた。
※ 平成24年7月25日 近くに用事があったので、20年ぶりに鷺洲のガード下を再訪した。

橋梁の底面のペンキが灰白色になったのと、歩道柵が綺麗になり、放置自動車が撤去されてすっきりしたのが20年前との違いだが・・・

67年前の機銃掃射の痕跡は今でもくっきり残っていた。
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Comment
2013.04.02 Tue 07:19 |
こんなところにも、戦争の痕跡が残されていたんですね。
南海の加太駅や多奈川線のものはよく知られていますが、探せば身近にはまだまだあるのかもしれませんね。
2013.04.04 Thu 15:47 | *のりさん こんにちは
北野高校の校舎に銃弾の跡があるとは聞いたことがありますが、南海・加太駅にもあるんですか。存じませんでした。一度調べてみます。ありがとうございました。
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