懐かしの連絡航路・高松~宇野

(前回からのつづき)

わざわざ高松まで来たのには、訳がある。

数少ないイタリア・デルタ社製のとある万年筆を探していたのだ。関西の店舗やインターネットではすでに完売表示をみるのみであった。

高松三越はデルタを取扱う店舗ということが分かったので、もしやあれば・・・と淡い期待を寄せて立ち寄った次第である。

しかし結果は目論見とおりで、なんと1本だけ残っていた。

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去年3月に日本のみに限定150本だけ発売されたイタリア・デルタ社製万年筆・コラッジオ~邦訳:勇気である。

東日本大震災を契機に、デルタ社が日本向けのメッセージ商品として発信したもののひとつである。

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デルタといえば、太陽のように鮮やかなオレンジ色の軸をもつドルチェビータが夙に有名であるが、これはその軸色がオレンジより茶寄りの渋い色合いで、そこが何とも魅力的で手に入れたかった一品である。


外箱はド派手で極めて大層なものではあるが、迷わず買い求め、自分自身へのお年玉とする。

これで当初の目的は早々と達成したので、あとは意気揚々として、懐かしの連絡船と同じ航路で本州・宇野に渡ろうと思う。


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宇高国道(うたかこくどう)フェリーは、平成24年10月17日をもって休止路線となってしまった。

ただ、高松の桟橋は、いまだに往年の繁栄を伝える巨大看板と建物が存在していた。


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現在では、こちらの四国急行フェリー1社だけが宇野・高松間を現役でがんばっている。


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こういうガラス張りの出札窓口を見ていると、何か懐かしい気持ちにさせる。

子供の頃よく遊んでいた大阪・弁天埠頭の関西汽船や加藤汽船の待合室にある出札窓口を思い出させるためだろうか。体内に組み込まれた何らかのDNAが働いているように感じられてならない。

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12時30分発の便が到着したようだ。港内でくるりと半回転してトモから接岸する。

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定刻の出帆  快晴の瀬戸内航路・・・凪のごとき穏やかなる船旅となった。

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船内客室の様子 正月3日の昼便はこんなものだろうか。

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船室の売店では、飲み物やお菓子のほかに、讃岐うどんを作って提供してくれる。宇高連絡線でも販売していたが、その伝統を今に受け継いでいる。

割り箸、湯のみ、七味入れ などが見えるのは、そのためである。

乗船したら必ず食さねばならぬという義務感にも似た気持ちがあるのだろうか・・・多くの旅客が、売店前の丸テーブルで、美味しそうにうどんを食べていたが・・・

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吹きさらしの屋外テーブルで、ひとり黙々とうどんをすする少年がいたことは、特記しておかねばならない。

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宇野港には日帰り温泉「たまの湯」があると聞き、到着後に一風呂浴びていこうと考えていたら、フェリー乗り場で割引券を発見して、これ幸い!とゲットした。

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出航から約60分で宇野に到着

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さあ、温泉だとばかり、瀬戸内温泉たまの湯に向かうが、入口で店員の冷たい一言

「只今満員で、脱衣所のロッカーの空きがありません。入店は、後1時間ほどお待ちください。」

こんな事になろうとは・・・1時間も待って入るところでもなしと諦めて踵を返した。せっかくの割引券が無駄になったのが残念であるが。


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宇野から電車で岡山に向かうべく駅前に行く。

駅前のロータリーには、セイウチやイッカクが寝そべっていてちょっとしたワンダーランドと化していた。

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駅構内を眺めると、往年の連絡線で栄えた宇野駅の面影は全くなく、盲腸線の侘しい終着駅といった具合だった。


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待合には、賑やかなりし当時の写真が掲げてあるのみ。

これは、181系車輌の「特急うずしお」だろう。ビュッフェと食堂車を連結した11輌編成の堂々たる優等列車であった。

大阪~宇野を2時間45分で結んで一日に何本も運行していた。

また急行では「鷲羽」が同区間を頻繁に走っていたが、これもまた思い出話になってしまった。

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列車の時刻表を見ると、何と1時間に1本。しかも5分前に出たところだった!

高松ではラッキーだったが、宇野では幸運に見放されたような気持ちを引きずりながら、JRを諦めて両備バスで岡山に向かった。






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2014.02.02 Sun 18:23  |  宇高航路

国鉄宇高連絡船には何度かお世話になりましたが、宇高フェリーとはご縁がなく・・・。その代わりといっては何ですが、丸亀ー下津井航路には2度ほど乗りました。下津井からは廃止間近の下電に乗って。瀬戸内海の風景は1時間程度の船旅では物足りないほど素晴しかったですねえ。

  • #-
  • サットン
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2014.02.04 Tue 10:38  |  *サットンさん おはようございます。

下津井も四国への窓口となった重要な港町でした。そのために下津井電鉄も旅客の足として役立っていたのでしょうが、現在では様変わりしてしまいましたね。ただ、今でも丸亀ー本島ー児島と旅客船を乗りついていけるようなので、次回はそのルートをチャレンジすることといたします。

  • #UXr/yv2Y
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2014.02.06 Thu 07:02  |  四国へ…

宇高連絡船に乗ったのは、もう50年近く前のことです。
大阪駅午前8時50分発(たしか…)の特急「うずしお」に乗って、宇野で乗換え、宇高連絡船で高松。高松からは、「第2南風」で高知へ。
当時宇野行きの特急は、朝の「うずしお」と午後の「ゆうなぎ」の2本だけでした。パーラーカー、食堂車、ビュフェ…、東海道の「つばめ」がそのまま西下した超豪華特急でしたね。
急行「鷲羽」は、臨時も含めると一日十数本も運転されていました。
宇野に到着すると、みんな足早に連絡船を目指してまっしぐら…。
四国は、それ以来ご無沙汰です。ずいぶん変わったんでしょうね。

2014.02.07 Fri 07:00  |  *のりさん おはようございます。

特急「ゆうなぎ」というのもありました。改めて調べてみると東京~宇野の特急「冨士」の新幹線開業後に改称後新大阪~宇野に残った特急でしたが、ヨン・サン・トウでうずしおに統合されたようですね。新幹線に翻弄された特急のようです。当時の喧騒が嘘のような現在の宇野駅でした。

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 阿房(あほう)と云ふのは、人の思わくに調子を合はせてさう云ふだけの話で、自分で勿論阿房だなどと考へてはゐない。
 
 用事が なければどこへも行つてはいけないと云ふわけはない。
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長崎の鴉・・長崎阿房列車

段段車窓が薄暗くなり、汽車が次第に濃ひ夕闇へ走り込んで行く時に聞く汽笛の響きは、鼻へ抜けたかさ掻きのやうな電氣機關車の聲よりも、蒸氣機關車の複音汽笛が旅情に相應しい。


          


  いつの間にか窓が眞暗になり、窓硝子に響く汽笛の音が、蒸氣機關車C62の複音に變つてゐる。


          
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