阪神淡路大震災による阪神・石屋川車庫の被災レポート(前編)
- Sun
- 07:00
- ∇鐵道ほとがら帖/平成編 - ├平成6年-平成7年
また石屋川車庫の損傷著しいとの報を受け、その心配するとともに、物見遊山のように余所者が訪れるべきではないとの信念があった。
しかし、やきもきしていた1ヶ月を経て、本日思い切って訪問することとした。
大きな一眼レフを肩からぶらさげる訳にはいかず、コンパクトなCONTAX-T2をカバンに忍ばせてのいでたちである。

もちろん阪神電車は不通なので、JR線に向かう。
JR東海道線は、ようやく住吉まで電車が行くようになった。
大阪駅東海道線のホームの時刻表は臨時のペーパーが貼付され、下り線は、新快速も快速も普通もすべて住吉止まりである。


ホームは、さながら買出し列車の如し。
リュックを背負った人ばかりが目立つ・・・しかしその人たちに微笑はない。

北陸線の11番ホームは、この日も通常通りの運行をしていたが、被災地に遠慮してか、気楽な旅行客は少なく、ホームは閑散としている。


JRで住吉まで行き、そこからは徒歩だ。

震災後26日目の光景である。

石鳥居や石灯篭の損壊著しい本住吉神社を横目に阪神・御影に向かい、そこから線路沿いに石屋川駅に行く。
石屋川駅は、仕事でよく利用した駅だった。
戦前の面影を色濃く残す愛すべき小駅だったが、相当な被災を受けているようである。

石屋川駅北側の御影駅から伸びる2本の電留線から西側を望む。
震災当時この2本線上には数編成の車両が夜明けを待っていたが、道床が流されたことにより脱線・転覆の損傷を受けた。

架線は取り除かれているとはいえ、線路道床の崩壊により復旧には、大変な時間と労力が必要だと感じた。

駅南側ホームのコンクリート擁壁崩壊により道路もふさがってしまった。

石屋川駅より東側・御影方面を望む。
すでに架線柱・線路が撤去され、復旧に向け線路の基盤工事が進められようとしている。

そもそもこの駅を訪れようと思ったのは、この地震発生当日の毎日新聞夕刊1面に目が釘付けとなった事が大きく作用している・・・そこには、まさにこの愛すべき石屋川駅の惨状が写しだされていたのだ。

つづく


1日1回 ぽちっとね♪
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Comment
2014.07.20 Sun 12:03 | 石屋川車庫
ガタガタに崩落した高架の石屋川車庫と折れ曲がった赤胴車。震災直後はもちろん、その後もことあるごとに目にするシーンですね。この絶望的な状況からよく甦ったもんだと思います、阪神電車。
あと発災が1時間遅かったら、と思うと背筋が寒くなるシーンでもあります。
- #-
- サットン
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2014.07.20 Sun 22:22 | あぁ阪神電車
石屋川車庫で、傾いた新型電車の姿をよく覚えています。
記事の続きを鑑み、今回のコメントは控えさせていただきまして、次回とさせていただきます。
申し訳ありません。
2014.07.26 Sat 09:00 | *サットンさん おはようございます。
ほんとに阪神電車は大変だったと思います。この区間はほとんど作り直しでしたからね。おかげで今は近鉄通う路線となりました。隔世の感がありますね~
- #UXr/yv2Y
- FUZZY
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2014.08.09 Sat 18:38 | 地震の破壊力
震災直後は被災地を歩くのにも細心の注意が要ったことでしょう。
郵便局の隣のビルの崩れ方を見ると坂道?かと錯覚してしまいました。
神戸へはこの年の5月に行きました。高架線路、道路、ビルの崩壊は
大変な惨状でした。
阪神電鉄が制作した記録VHS「阪神大震災:新たなる出発」が自宅にあったのでリマインドのために観てみました。1/17の芦屋〜岩屋間の空撮によれば走行中や駅に停車中の列車も脱線していました。また石屋川前後の8カ所もの道路を跨ぐ橋脚が崩落していました。
昼夜の工事で5ヶ月後の6/26に復旧して胸をなでおろしました。
- #-
- 京葉帝都
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2014.08.11 Mon 09:46 | *京葉帝都さん こんにちは
大震災の4ヵ月後に神戸にお見えになったのですね。その頃もまだまだ傷跡が生々しく残っていたと存じます。記録VHS「阪神大震災:新たなる出発」の存在は存じませんでしたが、やはり阪神電車にとっては生き死にを賭けた復興事業だったのでしょう。見事な復活に感心するとともに、その努力を後世に伝えていく必要があると感じています。
- #UXr/yv2Y
- FUZZY
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