肥薩線めぐりの旅(その2) はやとの風で霧島温泉へ

前回からのつづき

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H28.8.19 いよいよ大人の夏休みのスタートである。

昔の鹿児島本線であった山岳ルートの肥薩線(明治42年開通)は私にとって未踏路線だ。

(註)湾岸ルートの現鹿児島本線は、昭和2年10月17日の湯浦駅から水俣駅までの開通より海岸線周りの八代駅から鹿児島駅までが全通することによって誕生した。それまでは現肥薩線が鹿児島本線を名乗っており、鹿児島・宮崎への大動脈だった。

この機会にぜひ訪れてみたいと考えた。

おまけに霧島温泉で一泊すればなお素晴らしいではないか・・・と。

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午前中の仕事では紆余曲折があったが、奮闘努力の結果・・・なんとか鹿児島中央13:23発の特急「はやとの風4号」に間に合った。

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本日の旅程表(ブルーのライン)

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在来線の普通列車に並ぶ女子高校生の列をカメラ片手に「ごめんなさい」と告げて横切り、テンション上げてホームを駆け巡っていたビジネスマン姿のオヤジは私でした。

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そりや、頻繁に来られない場所ですしね。

おまけに初めて乗るデザイナーズ特急となればテンションも上がりますよ!!!

1号車(キハ147-1045)+2号車(キハ47-8092) というあっさりとした2両編成の観光特急列車である。
 
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1号車キハ147-1045の車内 重厚なつくりで国鉄時代の車内イメージを色濃く伝える装飾

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2号車キハ47-8092の車内 淡い色合いで軽快な感じがする車内装飾

中央にフリースペースがあり、とにかくJR西日本には見られない意匠の車輌に、一期一会で楽しまなくては・・・

金曜日の午後ということもあってか、車内は空席が目立つ。

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定時の出発の後、鹿児島駅を過ぎれば、左手に磯庭園、右の窓からは錦江湾と桜島を楽しむ

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次の竜ケ水駅には、何やら意味ありげな石碑がホームに鎮座していた。

平成5年に発生した8月豪雨で駅舎および周辺地域は甚大な被害を受けており、その際の乗員乗客脱出劇は、さまざまなドキュメンタリー番組で取り上げられた。

被災時の有名なエピソードとして、停車中の車両を堤防代わりにして乗客を避難させた乗務員の話がある。
被災したのは西鹿児島駅(現:鹿児島中央駅)行の普通列車(キハ200-1007)で、竜ケ水駅に停車中に鹿児島駅方面の線路が土砂崩れで通行不能となった。運転士は国分方面へ引き返そうとしたが、いつまでたっても指令室の許可が下りず、交渉中に国分方面の線路も遮断され立ち往生してしまった。このとき土石流の危険を感じた運転士が、自らの判断で崩れそうな箇所に、あえて列車を停車させ、乗客のいない車両を堤防代わりにして乗客を避難させた。この好判断により乗客は土石流発生直前に避難することができた。ただし、乗務員の指示を無視して列車内に留まった乗客3人は死亡した。(ウィキペディアより)

その災害復旧記念碑である。


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島津の歴史とかかる出来事に思いを馳せながら、一方では車内のアテンダントにオーダーして、地元の地ビール「SATSUMA GOLD」を持ってきてもらった。

こういうのは逃すわけには行かない。

ところが瓶ビールとプラコップの組み合わせだった。

座席のテーブルは、ディーゼル車輌の横揺れに耐えるほどのものではなく、表面はツルツル。両手を離して写真撮影できたのが奇跡のようなお話。

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車内検札の際に手渡された記念乗車証・・・ミヤマキリシマと対照的な漆黒の「はやとの風」が印象的である。

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隼人から肥薩線に入り、車窓から霧島連峰の山々を楽しんでいると、14:13九州最古の木造駅舎である嘉例川(かれいがわ)駅に到着。

観光列車ならではの嬉しいことに、5分の停車時間があり、乗客は自由に下車して駅の外にも出られるのだ。(そもそも無人駅ではあるが。)

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鉄道だけではなく、自動車でこの駅に立ち寄る観光客も数多くいる。彼の地の人気スポットである。

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開業100周年の記念碑が、平成15年に建立されているので、まさしく明治36年開業である。

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ホームのベンチの高さが、当時の日本国民の身の丈を忍ばせている。

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さて、から~ん・から~んとアテンダントの打ち鳴らす出発のベルが聞こえてきたので車内へと戻ろう。

嘉例川の次が下車駅

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14:24 本日の宿泊地 霧島温泉駅到着

彼の地は、龍馬とお龍が、小松帯刀の見舞いと湯治を兼ねた新婚旅行にやってきた温泉地なのだ。

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駅名には、温泉を冠しているが、下車してみても目前には森繁の駅前旅館はない。

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駅前から鹿児島交通のバスに乗車・・・山岳コースを進み40分ほどで霧島温泉郷到着

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本日のお宿は、霧島国際ホテル 

田中角栄唱える列島改造論華やかなりし頃の築年と思われる老舗ホテルである。


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金曜日なので幾分余裕があったのか、お一人様用部屋からグレードアップしてもらえた。

ツインルームのシングルユースである。

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懐かしいクリスタルブロックの室内キー・・・もちろん扉はオートロックではない。

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部屋のベランダから見える、噴出する湯煙が、旅情たっぷり・・・温泉地はこうでなくちゃ!

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温泉は、にごり湯の掛け流し 大好きな硫黄泉に身を沈めれば、ああ極楽ごくらく・・・大人の夏休みじゃ!

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風呂上りに部屋でビールを一飲みした後は、お楽しみの夕食タイムである。

話し相手がいないところがやや寂しいが、仲居さんに噴出する温泉や焼酎のことをあれこれ尋ねながら箸を進める。

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焼酎をあらかじめ水で割ったものを暖めて喫する「くろじょか」を初体験。漢字で表すと「黒千代香」となるらしい 

中身は黒伊佐錦(鹿児島県人が普段愛好する焼酎である。)

郷土色豊かなサービスなので、ためしにオーダーしたが、確かにグラスに焼酎と白湯をそぞぐお湯割りとは、味わいが違うように感じたが、飲めばそれぞれに旨い!

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豚バラのデミグラスソースといったものにも、焼酎がぴったり

その他てんこ盛の料理を残さずいただいて席を立つ。

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お土産コーナーでは、流石に焼酎の品そろえが違う。普段目にすることがないベビーサイズの焼酎も販売していた。

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NHK大河ドラマの龍馬伝の収録拠点としてに当ホテルが利用されていたらしく、ロビーにはその告知がしてあった。

龍馬とお龍が入った温泉は「栄乃尾温泉」、もう少し霧島連峰を登ったところにある。(そこへは、ここからでもバスでかなり上っていくので、当時の行程を考えると、難所に近いところだったのではなかろうか?)

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フロントのロビーを眺めると、高い天井と広い空間に建設当時の経営者の矜持を感じさせる

それとロビーに併設された喫茶ラウンジ 名前が「チャスラフスカ」

ホテルのオーナーの強い思いいれが反映したと見て取れるが、何と懐かしい名前だろうか。



このときは、そんな懐かしい思いで撮影していたが、その10日ばかり後・・・・

2016年09月01日 13時59分
【訃報】ベラ・チャスラフスカさん=チェコスロバキア・元体操女子選手
1964年東京、68年メキシコ五輪の体操女子で計7個の金メダルに輝き、「名花」と称されたチェコスロバキア(現チェコ)出身のベラ・チャスラフスカさんが30日に死去した。74歳だった。
 東京五輪で個人総合、跳馬、平均台で三つの金メダルを獲得、メキシコ五輪で個人総合連覇を果たすなど、華麗な金髪をトレードマークに、優雅な演技で一世を風靡ふうびした。日本でも人気が高く、「東京の恋人」とも呼ばれた。
 68年の民主化運動「プラハの春」を支持したとして不遇の生活を強いられたが、89年の共産党政権崩壊で名誉を回復。チェコ五輪委員会会長や国際オリンピック委員会(IOC)委員を務めて母国のスポーツの発展に寄与する一方、大統領顧問を務めるなど政治の舞台でも活躍した。
 日本とチェコの友好促進に貢献したとして、2010年に旭日中綬章を授与された。最近は、がんで闘病していた。

(YOMIURI ONLINEより)

  合 掌



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(つづく)



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 阿房(あほう)と云ふのは、人の思わくに調子を合はせてさう云ふだけの話で、自分で勿論阿房だなどと考へてはゐない。
 
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長崎の鴉・・長崎阿房列車

段段車窓が薄暗くなり、汽車が次第に濃ひ夕闇へ走り込んで行く時に聞く汽笛の響きは、鼻へ抜けたかさ掻きのやうな電氣機關車の聲よりも、蒸氣機關車の複音汽笛が旅情に相應しい。


          


  いつの間にか窓が眞暗になり、窓硝子に響く汽笛の音が、蒸氣機關車C62の複音に變つてゐる。


          
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