Kodak Signet 35 試写
- Sun
- 07:00
- ∇愛しき冩眞機 - ├その他の35mm判

平成8年4月2日
1週間前に25,000円で購入した中古カメラ・コダックのシグネット35の試写をしたく、仕事の出張毎にカバンに忍ばせて意気揚々と出かけた。
フイルムは、リバーサルフイルムであるフジクロームプロビア100(RDⅡ)をはりこんだ。
ところで、このカメラは、米国イーストマン・コダック社が1951年に発売開始した、35mmカメラである。
風貌が似ているということで、一部ではミッキーマウスのカメラなどと呼称されていたように、愛すべき外観ではあるが、極めてまじめなカメラである。
その証左として、軍用といわれたミリタリーカメラまで存在する。しかし兵士が戦場でこのコンパクトなカメラで現況報告していたと考えると、やはり用途が違うようで笑ってしまう。

このカメラの名声は、その装着しているレンズによることが大なりと思う。
装着されているコダック・エクター44mm f3.5レンズは3群4枚のテッサータイプながら、開放から高解像で、発色もコントラストもすばらしく、その写りの良さは現在でも充分通用する。
そもそも「フイルム会社のレンズはよく写る。」というが、フジフイルムのフジノンや、コニカのヘキサノンはもちろんのこと、コダックのエクターも素晴らしいレンズの出来となっている。
そして、コダックのレンズに付した2桁のアルファベットは製造年を示している。
C A M E R O S I T Y
1 2 3 45 6 7 89 0
この対照表に照合すれば、このレンズはRRなので、1955年製しいうことになる。
ただ、シャッタースピードが1/25、1/50、1/100、1/300の4段階しかなく、貧弱な感じがするが、気持ちを割り切れば、これだけあれば充分な気もする。
しかし、実際取り扱ってみると、赤ちゃんのくしゃみのようなクシュン!というシャッター音には癒されこそすれ、不愉快ではない。

裏ブタには、スライドさせて使用する簡易露出計がある。
モノクロやカラーネガならばこれでもいいが、リバーサルとなると不安が募る。
インジケータには、コダクロームの表示があるが、これでは無理でしょう・・・

ドピーカンの早春の桑名・長良川河口堰・・・1/300 f11
絞ってはいるものの、これだけのシャープ・コントラストは素晴らしい!

つぼみ固しの桜 1/100 f11

桑名で用事を終えた後は、JRで名古屋に戻る
車窓からイベント用であろうか旧型客車が見えたので、強引にシャッターを押す
1/300 f5.6

名古屋からは、近鉄アーバンライナーで帰阪
名古屋駅の売店風景 1/25 f3.5

夕暮れの車窓からの風景をいろいろ撮影している。

ユーロライナー色のEF65 112号機か?

流し撮りなども試してみた。 1/25 f5.6
翌日の平成8年4月3日は梅田界隈から撮影している。


いずれも見慣れた風景だが、20年後見ると、何か違う・何か懐かしい・・・

大阪駅前から西方を撮った写真・・・その後20年で全くといっていいほど様相を変えてしまった町並みである。 1/50 f22
その後、新大阪から新幹線で岡山に向かった。
自由車に乗るべく1号車の前で並んでいたが、反対車線にドクターイエロー(2代目)が入線してきた。
一瞬の逡巡ののち、一期一会と意を決して列を離れ、ドクターイエローの撮影のため走り出した。

曇天でありながら、このシャープネスと陰翳の美しさ
エクターとプロビアの生み出した傑作の一枚である! 1/100 f11

1/300 f5.6
この日に見たドクターイエロー2代目と再会するのは、平成25年 名古屋リニア館において保存車輌となってからである。
あのまま列を離れず見逃していたら、禍根を残すところであった。
この日の出張は、これで終わらなかった。
岡山を終えた後、京都に戻り、山陰本線で園部に向かった。

京都駅山陰本線ホームのクモハ112-309(福フチ)

超クラシックな歯科医院 1/100 f4.0
郵便受けに新聞が入っているので、住んでる人はいるようだ。

怪しげな雰囲気を横溢している家具屋の大売出し 1/60 f11


クモハ112-304+クモハ113-304 1/300 f5.0

近接撮影をしていなかったので、帰りの車内でテスト撮影として撮った一枚
1/25 f3.5
この当時、こんなケイタイ電話を使っていたんだなあ・・・
出張先から公衆電話を探して仕事の完了報告をしていると、電車を一本乗り遅れることがよくあったので、職場にはこの1台しかないケイタイ電話を、我先に持ち出したものだった。
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