餘部・鳥取の夏休み(その3)
(前回からのつづき)
只今の時刻15:10
自宅を午前5時に発ってから10時間の鈍行と途中下車を繰り返した不急旅を経て、本日の宿泊地「岩井温泉」に到着した。

小さな温泉地であるが、昔の街道筋にあたるので、鉄道が開通するまでは、行き交う人々で賑わっていたようだ。
また鳥取最古の温泉地として有名なところである。

上の案内図の右下の絵のように、手ぬぐいを頭に載せて、その上から湯をかける奇習がある温泉でもある。
その名を冠する共同浴場「ゆかむり温泉」
現在では、「タオルは湯船に浸けないでください!」と叱られてしまいそうな感じがする。
・・・少しチェックインには早いので、街中にある明治の遺構を見学に行く。

明治25年築の岩井小学校である。
岩美町の保護文化財とのことであるが、状態が頗る悪い。


つた類のなすがままの朽廃状態で、倒壊の心配までする必要があるようだ。

貴重な明治の遺構だけに何とかいい状態で保存してもらいたいものだ。
「ふるさと納税」は、こういうところにもお金を掛けて欲しいね。

さてさて、貴重な建物を見学した後は、源泉掛け流しの湯元「岩井屋」さんにお世話になる。
昭和9年に発生した町中の大火の後に再建されたと聞く木造3階建の旅館である。

玄関先には、灯篭流しの行灯が置かれ、お盆が近いことを告げていた。

たたきから、クツを脱いで上がれば、そこからすべて畳敷き。
スリッパというものが要らない民芸調の純和風旅館である。

ロビーの片隅に置かれた置き床も趣味のいいものとなっている。


ロビーの展示品やコーヒーカップにいたるまで、オーナーのこだわりを感じさせるシツラエとなっている。


通された部屋は、フロントの真上の2階“山吹”の間

中居さんから、床の間の古い小タンスが金庫だと言われたときは、ちょっと??だったが、
金庫は鍵がかかるものと考えるのは、現代人の固定観念かもしれない。

このような廊下の片隅にある小さな水盤を見るにつけ、亭主の行き届いた気配りを感じる。
さてさて、楽しみの温泉である!


湯船の中央が一段深くなって、底の松材のスノコの間から源泉が湧きあがって来る。
時折、プクリ・・・と、あぶくが浮かび上がるのでそれと判るのだ。

もちろん、掛け流し・・・脱衣場の「源泉掛け流し」宣言がそれを証明していた。

また、鳥取県唯一の「日本秘湯を守る会」に登録して、その維持管理に日々努力されているようである。

そしてまた、お楽しみの夕食の様子

手の込んだ先付を見ただけで、料理の内容は判るというものだ。
新鮮な地元の魚介類と紙鍋の牛シャブなど、息子も大満足の様子である。


シーズンではないが、カニの小鉢もあった。
冬のカニのフルコースは、どんなものになるのだろうかと自然と想像させる。

お酒は、地元岩美町の「瑞泉」純米酒 ガラス徳利とともに、このタコ唐草の器もいいね・・・

ブリの荒煮は、これで2人分・・・あまりの多さに、仲居さんに間違いではないのか尋ねたくらいだった。

水菓子は、葡萄ゼリー
美しい盛り付けに美味・珍味の数々と大満足の夕食だった。

夕食後は、また温泉三昧を経た後、早々に消灯となった。

翌、8月11日(祝)の朝食 地元の滋味豊かな惣菜の数々に満足。
癒しの一夜を過ごした岩井屋さんを後にして出発となる。

岩井屋さんの横には、岩井村が出身地の作家「尾崎翠」の資料館があった。
大正から戦前期に頭角を現した女流作家であるが、恥ずかしながら小生の聞知するところではなかったので、この機会に1冊読んでみた。

しかし、大正ロマニズムの中で少女趣味の殻を抜け出していないような内容で、退屈してしまった。
尊敬する内田百閒先生の作品にも似ているようなところもあったが、あの猥雑や混沌は感じなかったね。
・・・閑話休題・・・

朝9:16発の鳥取駅行きに乗って、鳥取砂丘に向かった。
真夏の砂丘は如何なものか・・・ちょっと不安なり
(つづく)

1日1回 ぽちっとね♪
只今の時刻15:10
自宅を午前5時に発ってから10時間の鈍行と途中下車を繰り返した不急旅を経て、本日の宿泊地「岩井温泉」に到着した。

小さな温泉地であるが、昔の街道筋にあたるので、鉄道が開通するまでは、行き交う人々で賑わっていたようだ。
また鳥取最古の温泉地として有名なところである。

上の案内図の右下の絵のように、手ぬぐいを頭に載せて、その上から湯をかける奇習がある温泉でもある。
その名を冠する共同浴場「ゆかむり温泉」
現在では、「タオルは湯船に浸けないでください!」と叱られてしまいそうな感じがする。
・・・少しチェックインには早いので、街中にある明治の遺構を見学に行く。

明治25年築の岩井小学校である。
岩美町の保護文化財とのことであるが、状態が頗る悪い。


つた類のなすがままの朽廃状態で、倒壊の心配までする必要があるようだ。

貴重な明治の遺構だけに何とかいい状態で保存してもらいたいものだ。
「ふるさと納税」は、こういうところにもお金を掛けて欲しいね。

さてさて、貴重な建物を見学した後は、源泉掛け流しの湯元「岩井屋」さんにお世話になる。
昭和9年に発生した町中の大火の後に再建されたと聞く木造3階建の旅館である。

玄関先には、灯篭流しの行灯が置かれ、お盆が近いことを告げていた。

たたきから、クツを脱いで上がれば、そこからすべて畳敷き。
スリッパというものが要らない民芸調の純和風旅館である。

ロビーの片隅に置かれた置き床も趣味のいいものとなっている。


ロビーの展示品やコーヒーカップにいたるまで、オーナーのこだわりを感じさせるシツラエとなっている。


通された部屋は、フロントの真上の2階“山吹”の間

中居さんから、床の間の古い小タンスが金庫だと言われたときは、ちょっと??だったが、
金庫は鍵がかかるものと考えるのは、現代人の固定観念かもしれない。

このような廊下の片隅にある小さな水盤を見るにつけ、亭主の行き届いた気配りを感じる。
さてさて、楽しみの温泉である!


湯船の中央が一段深くなって、底の松材のスノコの間から源泉が湧きあがって来る。
時折、プクリ・・・と、あぶくが浮かび上がるのでそれと判るのだ。

もちろん、掛け流し・・・脱衣場の「源泉掛け流し」宣言がそれを証明していた。

また、鳥取県唯一の「日本秘湯を守る会」に登録して、その維持管理に日々努力されているようである。

そしてまた、お楽しみの夕食の様子

手の込んだ先付を見ただけで、料理の内容は判るというものだ。
新鮮な地元の魚介類と紙鍋の牛シャブなど、息子も大満足の様子である。


シーズンではないが、カニの小鉢もあった。
冬のカニのフルコースは、どんなものになるのだろうかと自然と想像させる。

お酒は、地元岩美町の「瑞泉」純米酒 ガラス徳利とともに、このタコ唐草の器もいいね・・・

ブリの荒煮は、これで2人分・・・あまりの多さに、仲居さんに間違いではないのか尋ねたくらいだった。

水菓子は、葡萄ゼリー
美しい盛り付けに美味・珍味の数々と大満足の夕食だった。

夕食後は、また温泉三昧を経た後、早々に消灯となった。

翌、8月11日(祝)の朝食 地元の滋味豊かな惣菜の数々に満足。
癒しの一夜を過ごした岩井屋さんを後にして出発となる。

岩井屋さんの横には、岩井村が出身地の作家「尾崎翠」の資料館があった。
大正から戦前期に頭角を現した女流作家であるが、恥ずかしながら小生の聞知するところではなかったので、この機会に1冊読んでみた。

しかし、大正ロマニズムの中で少女趣味の殻を抜け出していないような内容で、退屈してしまった。
尊敬する内田百閒先生の作品にも似ているようなところもあったが、あの猥雑や混沌は感じなかったね。
・・・閑話休題・・・

朝9:16発の鳥取駅行きに乗って、鳥取砂丘に向かった。
真夏の砂丘は如何なものか・・・ちょっと不安なり
(つづく)


1日1回 ぽちっとね♪
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