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“越美南線・北線”縦断紀行(その1)

平成8年7月27日(土)

昨日から1泊2日の日程で千葉・西船橋で専門職セミナーがあった。

それを受講したのち、東京で大学時代の仲間と23時近くまで歓談する。
旧友との話の内容は、阪神淡路大震災が専らだった。
・・・同級生の〇〇は震災の前に転勤で神戸を離れて悪運が強いだの云々・・・

さてさて・・・そのあとは、どこに行くのも自由な一人の旅人となる。

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東京駅の電光掲示板・・・新幹線はすべて終了 あとは在来線のみ

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この時刻でも在来線のグリーン車利用客が多くいるのが、東京近郊の特色であろう
・・・寝過ごさないようにね♪



さてさて、これからが第2の楽しみ

帰路をどうするかは、青春18きっぷを有効に使用する案をいろいろと事前に考えていたのだった。

☆第1案
 名古屋まで「ムーンライトながら」で下り、関西本線をすすみ天王寺に帰ってくるコースだが、天王寺到着10:19となり、18きっぷ利用の値打ちがないのでボツ!

☆第2案
 名古屋まで「ムーンライトながら」で下り、紀伊半島一周する計画も立てると和歌山到着が19:25となり、やや草臥れる感じがしてボツ!

☆第3案
 岐阜まで「ムーンライトながら」で下り、高山本線を富山まで完走し、北陸本線で大阪に戻る計画を立てたが、敦賀で20:12となるので、やはりボツ!

☆第4案
 岐阜まで「ムーンライトながら」で下り、長良川鉄道(旧越美南線)を美濃白鳥まで行って、そこからJRバスで九頭竜湖まで繋いで、越美北線・北陸本線経由で大阪16:14に戻るコース・・・体感的に疲労も少なそうだし、初体験のルートなので今回はこれを採用する。

(第4案採用!)


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よって、東京23:43発のムーンライトながらに乗車 クモハ373-11の人となる。

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快速ながら特急車両を使用しているので、快適である。これならば、耳栓とアイマスクが安眠を保証してくれる。

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乗車前に買った深川弁当が夜食・・・穴子・浅利・どぜうの入った名物弁当である。

先ほどの会食で、鉄道ファンで京浜急行に勤務している同級生に、今回の計画を話したら羨ましそうな顔をしていたのが思い出される。

横浜到着で午前0時を過ぎるのため、そこまでの切符を購入して、そこからは青春18きっぷ使用開始。

IMG_20180113_145722501 (3)


頃よく車内改札があり、きっぷに入鋏され、これで安心。

小田原からは自由席になる車輛であったが、大して混雑することもなくそのまま快適な睡眠開始


気が付けば、8月28日(日)の早暁の名古屋駅

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午前6時の名古屋での小休止にホームに出て一服


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岐阜駅到着は、午前6:38

まだ7時前というのに、駅前はタクシーの行列・・・こんなに需要があるのだろうか?

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一方、名鉄岐阜駅前は、静かな風情である。 

車内よりは朝の空気のほうが涼しいと、乗務員が車外ベンチで出発を待っている。


ふたたびJR岐阜駅に戻り、列車の人となる。

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岐阜発6:58の普通列車はキハ11-116のレールバス 美濃太田まで乗車

美濃太田7:33発は、これより長良川鉄道(旧国鉄の越美南線)である。


三江線と同じように、北線・南線に分かれている越美線である。
以前より繋げたい気持ちが名前に表れている彼の地を訪れたいと思っていたが、何が幸いするかわからない。
その一つが今回叶えられようとしている・・・かなり嬉しい!


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だがしかし・・・

大正14年鉄道省地図・・・越美南北線が大日岳の麓を分岐点として工事未着工線として記載されている。路線名は越前と美濃を結ぶことを目的としたものだが、この地図を見ると、そもそも一本の路線にする計画は最初からなかったのではないかと考えてしまう。


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美濃市駅8:00到着 次の列車まで50分程度の散策 

日曜の8時ゆえに人通りまばら。日差しだけが厳しい。

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名鉄美濃駅・・・クラシカルな木造駅舎が印象的である。

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終着駅の後ろに回り構内を拝見するが、至ってシンプルである。

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構内には、モ593号車が留置されていた。

この路面電車風の車両は、本来、岐阜市内線用として昭和32年に5輌が製造され、その後、全車が美濃町線へ転属となった。
そして、この後10年を経ずに、平成17年に美濃町線が廃止となり、僚機は土佐電気鉄道に譲渡されたが、この593は廃車となつた。

そんなことは当時は全く知る由もなかった。



そして出発時刻まで、同市街地を早朝散歩するが、そこには旧家屋多く、趣あり。昔ながらの町屋を美しく整備されて清々しい。

この時刻ですでに門扉を開き放ちて、玄関内の趣向を凝らした様子を競うがごとく戸外にアピールしている住宅が数多く見受けられた。

一介の旅人としては大変興味深く拝見するとともに、この地の文化的意識に対する民意の高さに大いに驚かされた。




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長良川鉄道り8:48発の列車に乗るが、傍らのトロッコ列車が気になる。

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この当時、車掌車と無蓋貨車を組み合わせたトロッコ列車が運転していた。

どの車輛も乗り心地はよくないだろうが、車掌車は、謂わば社長客車の呈をなすため、ヨ5000やヨ8000には乗ってみたいと思うのは、テツであれば誰しも同じである。

そして、この後もしばらく運転していたが、平成15年7月21日(月)運行中、先頭の機関車(NTB209)が脱線した。
その理由が、枕木の腐朽により犬くぎを支持する枕木の力が低下していたため、軸距が長く、軸重の大きい先頭機関車の通過に伴う大きな転向横圧により軌間拡大が発生し、脱線したらしい。

よって、そのまま運用廃止となった・・・ちょっと残念!


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途中大矢駅で下車しているが、これは対向列車がくるまでの間の時間を利用してのことである。
美濃市から郡上八幡までの間に対向できる駅は、ここしかないので仕方ないのだ。


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あれこれしているうちに、奥美濃の美濃白鳥(みのしろとり)駅10:12到着

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わらじを履かせてもらったBigな犬張り子をLetinaⅢCで撮影する。

美濃白鳥・はりこ

(註)2018.1.22のグーグルのストリートビュ-で美濃白鳥駅駅前の様子を見ると、右の店舗の軒先には、今でも大きな犬張子が置かれているのがわかる。しかしながら、この時のものと同じものかどうかは判らない。



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これが、きのう新橋で買ってきたばかりのLetinaⅢCである。

ボディ購入とともに、近くのDPEで買ったリバーサルフイルムを入れて、試し撮りを楽しんでいるという数寄モノである。


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駅前に残る、歴史ある日通支店の建物を確認して、美濃白鳥10:15発のJRバスに乗車し、山岳コースを経て福井の越美北線の九頭竜湖駅に向かう。

到着は11:00予定である。



(つづく)


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何カノキツカケガアレバ汽車ノ事ヲ一所懸命ニ記述シテヰル。子供ノ時ノ汽車に對スル憧憬ガ大人ニナツテモ年を取ツテモ抜ナイノデアラウ。


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 阿房(あほう)と云ふのは、人の思わくに調子を合はせてさう云ふだけの話で、自分で勿論阿房だなどと考へてはゐない。
 
 用事が なければどこへも行つてはいけないと云ふわけはない。
 なんにも用事がないけれど、汽車に乘つて大阪へ行つて來やうと思ふ。   
    ・・・内田百閒「特別阿房列車」


        

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長崎の鴉・・長崎阿房列車

段段車窓が薄暗くなり、汽車が次第に濃ひ夕闇へ走り込んで行く時に聞く汽笛の響きは、鼻へ抜けたかさ掻きのやうな電氣機關車の聲よりも、蒸氣機關車の複音汽笛が旅情に相應しい。


          


  いつの間にか窓が眞暗になり、窓硝子に響く汽笛の音が、蒸氣機關車C62の複音に變つてゐる。


          
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