“門司・美祢”周回紀行(その2)
- Sun
- 07:00
- ∇鐵道ほとがら帖/平成編 - ├平成8年-平成10年
(前回からのつづき)
岡山からスタートした平成8年7月31日の青春18きっぷの旅は、門司港を経て、これから下関・幡生より山陰本線に入る
下関8:55発の普通列車は、キハ23-33の1輌のみ。
響灘沿いに海岸線を縫うように北上する。
冷房なしの気動車なので、窓は必然的に全開である。
汗を拭きふき、ディーゼル走行音とレールジョイント音を楽しむのも楽しい。
海からのけだるい夏風に交じって、短いトンネルに入るたびにディーゼルの轟音とともに一陣の冷風が窓から飛び込む。
そして田んぼの中を走ったときには、草いきれと、たまに芳しい田舎の香水も・・・そんなときローカル線の醍醐味をしみじみ感じる。

難読駅「特牛」(こっとい)を過ぎると隣の駅「阿川」で対向列車待ち。

ホームに降りて跨線橋の上から眺めると、後方には、目に染みるような青々とした田んぼが、ベルベットの絨毯のように広がっていた。

阿川駅本屋

11:05長門市駅到着。本駅は、扇形庫も擁する基幹駅である。

こんな珍しい車輛にも出会った。
団体専用の気動車キロ29-504とキロ59-507である。
「ふれあいパル」と称するジョイフルトレインで、車内はじゅうたん敷きのお座敷列車となっている。(平成19年11月9日廃車)

ここから分岐して美祢線に入る。
11:25発の列車は、レールバスのキハ120-20である。
先ほどのキハと同じ1輌編成であるが、クーラー付きなのがありがたい。
明日から8月という暑さの中、2時間にわたる非冷房のローカル線の旅は、正直いうとバテ気味だった。
目的の美祢は、深川川沿いに遡上していき、途中花尾山の麓にある大ケ峠トンネル(1481m)を経て、観光名所の秋吉台の南西方向の盆地に位置する街である。

つばめマークのJRバスが止まる美祢駅前に立つ。
日差しはきついが、涼しい山風が吹いていた。
しかし、駅前の時計塔に乗っかている動物は、一体なんだ??
・・・サルかライオンか分からない!
もし地元のライオンズクラブの寄贈であれば、余りにもユニークすぎる。

ここには、宇部興産の専用鉄道があり、セメントの原材料となる石灰石を伊佐鉱山で採掘して宇部の工場まで運搬している。

この日も、這うように走る異形の日通のディーゼル機関車DDが牽引するその貨物列車を見ることができた。(山口地方法務局美禰出張所の待合よりガラス越しに撮影)
機関車の足回りの覆いは、石灰石の粉塵除けだろうか・・・?

美祢駅からセキ貨物は、DD51が牽引する。
↑は、美祢駅到着した12:01直後のDD51-850貨物列車
↓は、美祢駅を離れる時13:45直前のDD51-847貨物列車
わずかな時間にこれだけの輸送量があるのは、驚きものである。


しかしながら、生産した石灰石は、鉄道輸送以外にも日本一長い私道「宇部興産専用道路(総延長31.94km)」を利用して80t積みダブルストレーラーで宇部セメント工場へ運搬されていたが、平成10年に自動車輸送に一本化されたため、宇部港駅向けの石灰石列車は廃止となった。そして、宇部興産専用線も平成26年3月に廃止された。

今回の使用カメラ:Kodak RetinaⅢC フイルム:Konica IMPRESSA50(ネガカラー)

ジャバラ式カメラのレチナは、前蓋を閉じるとコンパクトになり携帯に便利であり、搭載レンズのクセノン Xenon 50mm f2は、インプレッサのようなこってりとした色乗りをするネガフィルムでも、このような被写体ではパステル調に傾くようだ。
レトロな雰囲気を醸出するので嫌いではない。
美祢で用事を済ませた後は、厚狭に出て、そこからは岩国・広島と瀬戸内の海岸線を眺めつつ山陽本線をひたすら東上する。
途中、時間短縮の効果が高い、広島から三原までは仕方なく新幹線こだまを利用したが、そのあとはまた在来線をひたすら進む。
大阪到着は22:59だった。
思えば・・・岡山0:25→6:33門司港(渡船)下関8:55→11:05長門市11:25→12:01美祢13:45→14:11厚狭14:20→16:53岩国16:54→17:40広島18:02(こだま利用)18:30三原18:45→20:10岡山20:22→21:43姫路21:58→22:59大阪、と1枚の18きっぷとしては、過去最長の利用距離となった。

岡山からスタートした平成8年7月31日の青春18きっぷの旅は、門司港を経て、これから下関・幡生より山陰本線に入る
下関8:55発の普通列車は、キハ23-33の1輌のみ。
響灘沿いに海岸線を縫うように北上する。
冷房なしの気動車なので、窓は必然的に全開である。
汗を拭きふき、ディーゼル走行音とレールジョイント音を楽しむのも楽しい。
海からのけだるい夏風に交じって、短いトンネルに入るたびにディーゼルの轟音とともに一陣の冷風が窓から飛び込む。
そして田んぼの中を走ったときには、草いきれと、たまに芳しい田舎の香水も・・・そんなときローカル線の醍醐味をしみじみ感じる。

難読駅「特牛」(こっとい)を過ぎると隣の駅「阿川」で対向列車待ち。

ホームに降りて跨線橋の上から眺めると、後方には、目に染みるような青々とした田んぼが、ベルベットの絨毯のように広がっていた。

阿川駅本屋

11:05長門市駅到着。本駅は、扇形庫も擁する基幹駅である。

こんな珍しい車輛にも出会った。
団体専用の気動車キロ29-504とキロ59-507である。
「ふれあいパル」と称するジョイフルトレインで、車内はじゅうたん敷きのお座敷列車となっている。(平成19年11月9日廃車)

ここから分岐して美祢線に入る。
11:25発の列車は、レールバスのキハ120-20である。
先ほどのキハと同じ1輌編成であるが、クーラー付きなのがありがたい。
明日から8月という暑さの中、2時間にわたる非冷房のローカル線の旅は、正直いうとバテ気味だった。
目的の美祢は、深川川沿いに遡上していき、途中花尾山の麓にある大ケ峠トンネル(1481m)を経て、観光名所の秋吉台の南西方向の盆地に位置する街である。

つばめマークのJRバスが止まる美祢駅前に立つ。
日差しはきついが、涼しい山風が吹いていた。
しかし、駅前の時計塔に乗っかている動物は、一体なんだ??
・・・サルかライオンか分からない!
もし地元のライオンズクラブの寄贈であれば、余りにもユニークすぎる。

ここには、宇部興産の専用鉄道があり、セメントの原材料となる石灰石を伊佐鉱山で採掘して宇部の工場まで運搬している。

この日も、這うように走る異形の日通のディーゼル機関車DDが牽引するその貨物列車を見ることができた。(山口地方法務局美禰出張所の待合よりガラス越しに撮影)
機関車の足回りの覆いは、石灰石の粉塵除けだろうか・・・?

美祢駅からセキ貨物は、DD51が牽引する。
↑は、美祢駅到着した12:01直後のDD51-850貨物列車
↓は、美祢駅を離れる時13:45直前のDD51-847貨物列車
わずかな時間にこれだけの輸送量があるのは、驚きものである。


しかしながら、生産した石灰石は、鉄道輸送以外にも日本一長い私道「宇部興産専用道路(総延長31.94km)」を利用して80t積みダブルストレーラーで宇部セメント工場へ運搬されていたが、平成10年に自動車輸送に一本化されたため、宇部港駅向けの石灰石列車は廃止となった。そして、宇部興産専用線も平成26年3月に廃止された。

今回の使用カメラ:Kodak RetinaⅢC フイルム:Konica IMPRESSA50(ネガカラー)

ジャバラ式カメラのレチナは、前蓋を閉じるとコンパクトになり携帯に便利であり、搭載レンズのクセノン Xenon 50mm f2は、インプレッサのようなこってりとした色乗りをするネガフィルムでも、このような被写体ではパステル調に傾くようだ。
レトロな雰囲気を醸出するので嫌いではない。
美祢で用事を済ませた後は、厚狭に出て、そこからは岩国・広島と瀬戸内の海岸線を眺めつつ山陽本線をひたすら東上する。
途中、時間短縮の効果が高い、広島から三原までは仕方なく新幹線こだまを利用したが、そのあとはまた在来線をひたすら進む。
大阪到着は22:59だった。
思えば・・・岡山0:25→6:33門司港(渡船)下関8:55→11:05長門市11:25→12:01美祢13:45→14:11厚狭14:20→16:53岩国16:54→17:40広島18:02(こだま利用)18:30三原18:45→20:10岡山20:22→21:43姫路21:58→22:59大阪、と1枚の18きっぷとしては、過去最長の利用距離となった。


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