D51200本線復活1周年 SLやまぐち号(その1)
- Sun
- 07:00
- ∇鐵道ほとがら帖/平成編 - └平成30年~平成31年
平成30年11月初旬、同職の友人から、SLやまぐち号の往復指定席券4名分が余ってるので、使いませんか?と連絡が入った。
日程をきくと、ちょうど子供の大学受験の最終日の2日後らしい。
受験ご苦労様会をどうしようかと考えていたときだったし、家族に尋ねるとSL列車に乗ってみたいと全員賛成したので、これは渡りに舟と、譲っていただくことにした。


おまけに、下りの津和野行きの2席は1号車グリーン(展望車)だ。
人気の上に座席数が少ないため極めて入手しにくい、いわゆるプラチナチケットである。
最近客車が新造され、往年の展望車の復元をはじめ、あちこちにレトロ感が満載されていると耳にしているので、その乗車が楽しみで仕方がない。
当日に向けて、ホテルや新大阪・新山口の新幹線の手配を終えて11月24日(土)を迎える。
土曜日でも子供たちは、半ドンで授業があるので、乗車できる列車は新大阪15:08発のさくらが精一杯。

新山口は止まらない列車も多いので、選択肢は限られているが、この列車だとなんとか夕食には間に合いそうだ。

ちょうどこの時期は、JR西日本の企画ものとして「やまぐち幕末ISHIN切符」なる周遊きっぷの発売があった。

新大阪・新山口の往復新幹線指定席と山口県の周遊地では特急の自由席が乗り放題という切符で、お得感があったので利用することとした。

定刻17:06に新山口到着
平成5年に訪問した時と比べて随分きれいになっていて驚いた。

こういう広告や下記の様な顔出しパネルを見ると、今年の明治150年が霞むほどにSLに依存している街であることは確かなようだ。



キハ47-152+キハ47-1060
17:30発の快速益田行で本日の宿泊地「湯田温泉」に向かうはずだったが、上りの“SLやまぐち号”がトラブルを起こして30分ほどの遅れ。山口線は単線なので、上りが遅れると下りも出発できない仕組みになっている。
よくよく聴くと、大歳・山口間で線路からの発煙(枕木が燃えている?)と機関車の車輛点検のため26分の遅れとのことだ。

もう鉄道は諦めて、タクシーかパスで湯田温泉に向かおうとしたとき、上りのやまぐち号が到着した。

日が落ちた後に見せるくろがねのボディもまた魅力的である。
さてさて、予定より30分ほど遅れたが、湯田温泉駅にはなんとかたどり着いた。
タクシーで5分ほどで今日のお宿“松田屋ホテル”に到着。

このホテルの創業は古く西暦1675年。
ゆったりとしたロビーには伊藤博文揮毫の扁額が掲げてある。
履信居仁(りしんきょじん)と記してあるこの扁額は、明治32年に初代内閣総理大臣の伊藤博文公より旅館業の心得として頂いたものらしい。 履信居仁と ... 信(まこと)を日々繰り返しおこない、礼に基づき自分に厳しく他人には優しく、思いやりの気持ちでいなさい。との意とのことである。

また、館内には、維新の資料ルームがあり、風呂上がりの立ち寄りどころとしては、知的好奇心を刺激する上質な空間を提供してくれている。老舗旅館ならではの施設である。

松陰先生も廊下の突き当りで、こんな具合に睨みを利かせている。

この小さな風呂は、家族風呂だが“維新の湯”と呼称されている。
ホテルの案内によれば、「ここの浴槽は、徳川幕府末期1860年につくられたもので、当時長州、薩摩、土佐の勤皇の志士 高杉晋作・木戸孝允・西郷隆盛・大久保利通・伊藤博文・大村益次郎・山県有朋・井上馨・坂本竜馬らや七卿落の公卿三条実美らが、しばしば松田屋で会合して、倒幕・皇政復古の密議をしたときに入浴使用したと云われる歴史的文化財」とのこと。
幕末の志士が入ったという風呂であれば、是非入浴せねばと、静かな闘志を秘めて現地に乗り込んだ。
仲居さんにたずねると家族風呂なので空いていれば宿泊者は誰でも使えるとのことである。
今回、到着が遅れたついでに、多くの宿泊者が夕膳についている間隙を狙って利用した。



ひと風呂浴びた後は、お楽しみの夕食タイム
別室に移動しての配膳と思っていたが、自室でのサービスであった。
昔はこのスタイルが普通であったが、最近では滅多に見なくなった。
とにかく仲居さんの手間がかかる。配膳ごとに立ったり座ったりと、とにかく大変な重労働だ。
この後、食事が終了すれば、直ちに下膳して布団を敷き始めなければならないのだ。

それはさておき、食事の途中にはフグの空揚げや、一人鍋なども提供され、予想外に山口名物であるフグを賞味できて一同大満足。

この旅館特製の清酒「維新の宿」をグビグビやりながら・・・

最後には、フグご飯に“いとこ煮”という甘味が提供され、ご当地の味覚も楽しむ

冷蔵庫には、ビールとコーラとミネラルウォーターが人数分入っていたが、サービスというところが嬉しい。

翌朝、目覚めるや否や、「イビキがうるさくて眠れなかった」と子供になじられ、「さっさと寝てしまわないからや・・・」と切り返す。
11月25日(日)7:00客室から湯田温泉の街並みを眺める・・・今日も天気がよさそうだ。

敷地内の和風庭園も見ておくべきということなので、鯉の餌を入れた一合枡を片手に早朝のパトロールを試みる。


下記の源泉が流れ込む暖かい池では、人が近づくだけで大きな錦鯉が群れをなして近寄ってくる。


隅々まで掃除が行き届いた庭園の奥手には、足湯のあずまやが設けられてある。

朝ご飯も、自室でしっかり取って、準備万端いざ出発!!
湯田の名旅館に、日々の疲れを癒した後は、メインイベントを体験すべくJR湯田温泉駅に戻る。


SLやまぐち号の停車駅には、このような戦前の駅名板を模したものが立てられている。
こんなものをチェックしながら旅をするのも一興である。

9:04下り特急スーパーおき2号の入線シーン
この列車は、山口線全線を走破、益田から山陰線を東行して、終着駅は鳥取の米子。 4時間におよぶ長距離ランとなる特急である。


この駅でSLやまぐち号を待ってもいいが、まだ時間もあることだし、出発に先立ち新山口駅で何らかのセレモニーがあるらしいので、もと来た道を戻ることにする。(周遊区間なので別途料金はかからないのだ。)

9:20普通の新山口行きに乗車 わずか20分足らずの乗車区間である。

新山口駅到着直前の車輌基地の様子
D51200も出発準備に余念がなさそうである。
(つづく)


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