Super Ikonta 531で港町散歩
- Sun
- 07:00
- ∇愛しき冩眞機 - ├中判・大判・etc
平成8年9月23日のことだった。
ファジー・コレクションにはジャバラのカメラも多く存在するが、この日は1938年ドイツ製ツアイスのスーパーイコンタIII(Super Ikonta 531)にモノクロフイルムを詰めて、桜島・天保山の港町散歩に出掛けた。

このカメラは、分類ではスプリングカメラに属するが、ドレーカイル式のピントあわせ装置を備え、同種の中では最高品である。
レンズの横に飛び出た腕木単目のドレーカイル方式の説明は、本機を手にすればその精緻な光学装置に驚嘆するばかりであるが、その光学装置の説明を文書にすると絶対に理解できない代物である。
アマチュアには、この半分の大きさのセミ・イコンタが好まれたが、イコンタがもつ6×9cmのビックサイズはプロに好まれ、この傾向は1970代まで続いた。

左側の35mmフイルムではなく、右にある細長いサイズの裏紙のついたプローニ判のフイルムを使う。

ネガを比べてみると、35mmに比べて圧倒的なサイズの大きさを誇る。これは、今で言うところのデジタルカメラの受像子の大きさの違いと同様の効果がある。
昔はレンズの性能をカバーするため大きなサイズが求められたが、名レンズのテッサーを搭載したスーパーイコンタともなれば、大きく引き伸ばす必要のあるプロ写真にとっては、35mm判より重用された。
そして、スプリングカメラの特徴として、折りたたむとコンパクトになることから山岳写真家には特に愛好された。
今回は、これだけ大きなサイズだと、写真屋さんに頼まなくても、自分でフイルム現像とベタ焼き(ネガフイルムと印画紙を接してプリントする方法)ができるのではと思いトライした次第である。(サンプルは、上記のとおり)

大阪の臨港貨物線「浪速駅」に隣接するダイゾー(旧:大阪造船)の巨大クレーン
この造形には、人を魅了する要素がある。しばらく見ていても飽きが来ない。
鉄骨の素材が華奢なのにこんなに大きな造作になっていることが、なんとも美しい。しかも縦横無尽に駆動する。

6cm×9cmなので、中央の操縦室部分の拡大にも破綻を来たさない。

こちらは、余りに見事な“草ワイパー”があったので、撮ってみた。
こういう被写体はやはりモノクロがいいね!
(注)草ワイパー:草と風が壁面に織りなす造形美であり、振り幅が大きい方が美しいとされている。小さいながら壁面の穴から成長した草木の場合360°にも及ぶものがあるので侮れない。

此花の北港運河にあった大正15年製の可動橋・正安橋
運河に船が運行すると跳ね橋よろしく片方がせり上がる。道路上部は錘の部分である。
今では、ユニバーサルシティからUSJの入り口に繋がる歩道橋の部分あたりと思われる。

(参考)この方向だと、今ではこんな風景になることだろう。

反対側からの風景
可動中を示す信号機にからむツタが、その歴史を刻んでいる。
後方の建物は、住友金属工業(現:新日鐵住金)の工場建屋である。

北港運河に並行するJR桜島線の可動橋。
この場所は、何度か訪れているが、この時はすでに運河も埋め立てられ、可動橋としての使命はすでに終わっている状態である。

可動部の拡大・・・こちらは路面だけでなく架線も稼働する必要があるため、上部にも工夫あり。

この当時は、先頭車両の方向幕には、国鉄時代からの名称である“桜島線”と明記してある。

終点「桜島駅」・・・周囲の工場三角屋根を模した愛すべき駅舎であったが、H11.4.1 USJ開業に伴う路線変更によりこの地より南側に移動させられた。

天保山渡船の桜島のりばの様子

このあたりの風景は、撮影した時から22年経過した現在でも変わらないなあと思うのだが、招致に成功した2025年大阪・関西万博に向けて今後は大化けするかもしれない。

大阪に再び万博がやってくるなんて想像すらしていなかった乗船客と・・・撮影者

ファジー・コレクションにはジャバラのカメラも多く存在するが、この日は1938年ドイツ製ツアイスのスーパーイコンタIII(Super Ikonta 531)にモノクロフイルムを詰めて、桜島・天保山の港町散歩に出掛けた。

このカメラは、分類ではスプリングカメラに属するが、ドレーカイル式のピントあわせ装置を備え、同種の中では最高品である。
レンズの横に飛び出た腕木単目のドレーカイル方式の説明は、本機を手にすればその精緻な光学装置に驚嘆するばかりであるが、その光学装置の説明を文書にすると絶対に理解できない代物である。
アマチュアには、この半分の大きさのセミ・イコンタが好まれたが、イコンタがもつ6×9cmのビックサイズはプロに好まれ、この傾向は1970代まで続いた。

左側の35mmフイルムではなく、右にある細長いサイズの裏紙のついたプローニ判のフイルムを使う。

ネガを比べてみると、35mmに比べて圧倒的なサイズの大きさを誇る。これは、今で言うところのデジタルカメラの受像子の大きさの違いと同様の効果がある。
昔はレンズの性能をカバーするため大きなサイズが求められたが、名レンズのテッサーを搭載したスーパーイコンタともなれば、大きく引き伸ばす必要のあるプロ写真にとっては、35mm判より重用された。
そして、スプリングカメラの特徴として、折りたたむとコンパクトになることから山岳写真家には特に愛好された。
今回は、これだけ大きなサイズだと、写真屋さんに頼まなくても、自分でフイルム現像とベタ焼き(ネガフイルムと印画紙を接してプリントする方法)ができるのではと思いトライした次第である。(サンプルは、上記のとおり)

大阪の臨港貨物線「浪速駅」に隣接するダイゾー(旧:大阪造船)の巨大クレーン
この造形には、人を魅了する要素がある。しばらく見ていても飽きが来ない。
鉄骨の素材が華奢なのにこんなに大きな造作になっていることが、なんとも美しい。しかも縦横無尽に駆動する。

6cm×9cmなので、中央の操縦室部分の拡大にも破綻を来たさない。

こちらは、余りに見事な“草ワイパー”があったので、撮ってみた。
こういう被写体はやはりモノクロがいいね!
(注)草ワイパー:草と風が壁面に織りなす造形美であり、振り幅が大きい方が美しいとされている。小さいながら壁面の穴から成長した草木の場合360°にも及ぶものがあるので侮れない。

此花の北港運河にあった大正15年製の可動橋・正安橋
運河に船が運行すると跳ね橋よろしく片方がせり上がる。道路上部は錘の部分である。
今では、ユニバーサルシティからUSJの入り口に繋がる歩道橋の部分あたりと思われる。

(参考)この方向だと、今ではこんな風景になることだろう。

反対側からの風景
可動中を示す信号機にからむツタが、その歴史を刻んでいる。
後方の建物は、住友金属工業(現:新日鐵住金)の工場建屋である。

北港運河に並行するJR桜島線の可動橋。
この場所は、何度か訪れているが、この時はすでに運河も埋め立てられ、可動橋としての使命はすでに終わっている状態である。

可動部の拡大・・・こちらは路面だけでなく架線も稼働する必要があるため、上部にも工夫あり。

この当時は、先頭車両の方向幕には、国鉄時代からの名称である“桜島線”と明記してある。

終点「桜島駅」・・・周囲の工場三角屋根を模した愛すべき駅舎であったが、H11.4.1 USJ開業に伴う路線変更によりこの地より南側に移動させられた。

天保山渡船の桜島のりばの様子

このあたりの風景は、撮影した時から22年経過した現在でも変わらないなあと思うのだが、招致に成功した2025年大阪・関西万博に向けて今後は大化けするかもしれない。

大阪に再び万博がやってくるなんて想像すらしていなかった乗船客と・・・撮影者


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