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古い家並みの残る町~奈良・五條ぶらり旅



山櫻古典寫眞機同好會のメンバーから、「久しぶりに何処か撮影旅行に行きませんか。」というメッセージがLINEのグループ欄にアップされた。

夏の暑い時なのでハードなスケジュールはご免蒙りたいと考えていたが、なりゆきで私が段取りすることになり、奈良の五條には古い町並みが残っているし酒蔵もあるので組織員の嗜好にピッタリということで、7月25日(土)の日帰り旅行を計画した。



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近鉄阿倍野橋9:10発の吉野行特急の指定席を確保する。吉野口までの1時間は朝麦酒で乾杯!吉野口からはJR和歌山線で五条に入る。

その予定だった。

いつもなら天神祭りの当日はじりじりとした夏空が広がるものなのだが、今年は要領が違った。
梅雨明けの遅れている近畿地方では、前日夜には近畿中南部に豪雨があり、何かいやな予感がしていた。
案の上、当日の早朝、意気地のないJR西日本は、早々に和歌山線の高田・橋本間を始発からその運転を休止してしまった。

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近鉄は動いているが、その先の移動手段を絶たれてしまった。近鉄の下市口まで足を伸ばして、そこからタクシーを飛ばすという手もあったが、組織員にLINEで連絡したところ、複数者から「それなら自家用車出しましょうか」とのありがたい申し出あり。

運転者は、終始お酒が飲めないことになるので誠に申し訳なかったが、なんとか足の手配ができて良かった。

本来7月23日に東京五輪が開催し、なにやかやと沸き立っているはずの4連休だったが、それが憎きコロナ禍により延期となったため、こちらとしては、もしこの計画が中止となれば、その無聊を慰めるものもなくつまらない休日となってしまうところだった。

集合場所を阿倍野橋から谷町六丁目に変更し、予定通り出発進行。
N氏から提供していただいたトヨタ・アルファードの快適な乗り心地を味わいつつ五条に向かう。

途中何度か大雨に出会うが、目的地到着時には霧雨程度の小康状態となる。

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五條の新町通りにある源兵衛に11:00からのランチコースを予約していたが、遅れることなく、かつ早すぎず絶妙のタイミングで到着する。

五條 源兵衛は、五條の野菜を中心としたミシュラン☆のレストランである。

日ごろから血液どろどろのメンバーたちには、体が喜ぶ野菜だけのコース料理(@3,500-)を予約していた。お酒は別である。

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江戸時代の商家を利用した店舗の中に入ると、落ち着いた雰囲気の中、静かにピアノソナタが流れていた。

店主で料理長でもある中谷暁人さんによるコース料理の説明を受けた後、我々はビール、ドライバー殿はノンアルコールビールで乾杯してコース料理がスタートした。

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食前酒ならぬさっぱりとした食前酢で胃を整える

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地産のもち米団子のお椀 上には緑鮮やかな様々な野菜が乗っている。黄色い花をつけた極小キュウリもある

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湯葉に包まれた正体不明の香草が出てきた。 

目をつぶって咀嚼すると牡蠣の味がしますよ。とのことだったので、果たして教示通り反芻すると驚いたことに、生ガキの如き磯臭い風味が漂った。不思議な香草である。

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提供される野菜のサンプルが山盛りになってテーブル上に置かれた。

恥ずかしながら、いかに野菜の知識がないかが暴露される瞬間でもある。
あまり聞きなれない野菜の説明が続く。しかし「グラスに入っているのはホップではないですか?」との問いに「そうです」との回答あり・・・やれやれ少しは面目を保つ

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野菜だけの天婦羅盛り合わせ  

手前の赤いトマトの天婦羅のうしろの大きい一品は、カボチャの花である。
芋の天婦羅も数個あるため、しっかり食べ応えあり。

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ビールはほどほどにして、地酒に移る

左は、店主こだわりの野迫川 村おこしプロジェクトにより醸造された「伯母子岳」・・・しっかりとしたガツンとくる味わいで野菜料理との相性が良い。
中と右は、地元の酒蔵山本本家の松の友「十一代」・・・直汲みとは、無濾過の生原酒である。ともに軽やかな飲み口だが、右の大吟醸は少し発泡性を帯びて夏向きの逸品である。

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ウリやマメ、豆腐などを色々な味付けで調理した3品 地産池消よろしく地酒との相性も良く、盃がすすんで困る。

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止め椀は、五條米の上に針茗荷を乗せたものに、出汁をかけていただく。これも出汁の味わい深く出色の一品だった。

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葛菓子 葛の味が濃厚にして弾力のあるものにして、彼の地ならではの得難い風味。

すべて野菜尽しのコース料理だったが、思った以上に満腹感あり。おいしゅうございました。

日ごろの不摂生を洗い流すような、いわば薬膳料理のような感覚がしてならなかった。

少しだけ健康になった気がする。



ゆっくり昼食をいただいた後は、ガイドマップを片手に五條新町通りをフォト散歩


五條ガイド

どうやら雨も上がったようだ。夏の最中はピーカンの快晴よりこのような曇天のほうがありがたい。

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源兵衛から西の方に通りを進むが、ほんとうに昔の家並が残っている。しかも整備が行き届いている。

以前、橿原の今井町に行ったが、あちらも同じような昔の家並が残っているが、その保存状態は悪く、朽廃した建物も数多く見られたが、こちらはそんな建物は見受けられなかった。市民の意識の違いなのだろうか。

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町並みから路地を伝って吉野川の土手に出る。

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幅員の大きな吉野川が目の前に現れた。

ここに来る前に訪れた「まちなみ伝承館」では洪水で浸水した水位が建物の中の柱に刻んであったが、これだけの大河でも越水する水量とはどんなものなのかと唖然とする。熊本人吉の球磨川の洪水を目の当たりにしたばかりなので、絵空事とは思えない。

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今回の目的の一つ。国鉄・五新線の遺構が現れた。

コンクリートのアーチ橋が吉野川を渡ろうとしてここで途絶している。

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五條市のホームページは次のような説明があり、写真の銘板と少し内容が異なっている。

【明治末期、五條市から十津川をつたい新宮市までを結ぶ「五新鉄道」の建設熱が高まりました。昭和14年(1939)から着工され、吉野川横断の橋脚、生子トンネルの貫通まで至りましたが、太平洋戦争が始まり資材不足等の理由で、工事は中断されました。戦後、工事が再開され、昭和34年(1959)に五條-城戸間の路盤工事が完成し、軌道敷設等の工事を残すのみとなりましたが、経済社会情勢等の変化によって、五新鉄道の夢は叶うことなく中断されました。
現在、跡地の一部は路線バス専用道や、宇宙のなぞを解明する研究所「大阪大学コスモ観測所」として利用されています。また、平成9年(1997)にカンヌ映画祭カメラドール賞(新人監督賞)を受賞した河瀬直美監督の映画「萌の朱雀」は、五新鉄道と西吉野村の雄大な自然等を物語りの素材にしています。 2008年3月から上映された映画『花影』のロケ地にもなりました。】




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(参考:大正14年鉄道省・鉄道地図)
この当時、五條・新宮のうち、五條・坂本間が工事着工区間、坂本・新宮間が計画路線となっている。



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国道を渡る部位は、切断の上撤去されている。
といっても全てを取り毀さず、道路部分以外は残存しているのが不思議である。

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柿の葉すし本舗たなかの本店に立ち寄る。

ここの柿の葉すしは、デパートをはじめ多くの店舗で買い求めることができるので、本店によっても大差ないだろうと思っていたが、さにあらず。他の店舗では見受けられない銘柄も数多くあり、目移りしてしまう。

家族へのお土産に買い求め、帰宅後食したが、予想を裏切りさすが本店の柿の葉すしは違った。極めて美味なり!
酢飯の状態が頗るよく、いつも食べているものとは別格である。もう少し買っておけば・・・と反省しきり。

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夜来の豪雨で川の水量は多いようだ。

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造り酒屋の山本本家

試飲を含め訪問したがったが、残念ながら土日祝は休業・・・観光客に対する態度が冷ややかである。
がむしゃらに販売しなければという気概が感じられないところが、いいね。

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国の重要文化財である栗山家住宅 1607年築で現存する民家では最も古いものらしい。
しかも今でも住宅として利用されているところがスゴイ!よって内部は非公開である。

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新町通り・・・紀州街道の道幅はこれだけだった。現在でも自動車は通行できるが西向きの一方通行である。

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緩やかなカーヴを描く街道は、人を誘うものがあるね。その先を見たくなる。しかし、無粋な電信柱が邪魔である。

橋のたもとの餅屋さんは、廃業してしまい、現在は営業していない。しかし、ランドマークとしての存在が圧倒的なので、今でも往時の店構えを残している。

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今もポストとして使える「書状集箱」の脇には、次の文言が書かれた高札が立てられている。

    書状集箱
このポストは、明治4年(西暦1871年)郵便創業当時使用されていたものと同じ型のもので「書状集箱」と言います。
五條市は、古くから紀州街道や伊勢街道などが交叉し、さらに吉野川には三十石船や奥吉野から材木を運ぶ筏流しも見受けられ水陸交通の要衝であり、宿場町として発展してきました。
この「新町通り」は慶長13年(1608年)二見城主松倉重政が城下町の振興策として、年貢諸役を免許して商売を行いやすくしたため、当時新町には、合計95棟の家が立ち並び、月2回の市が立っていました。重みのある古い民家が多いことと、その古さにおいて新町の町並は全国第1位に位置づけられており、現在でも、家並みはその当時の面影を色濃く残しています。
 この書状集箱はこのような街並みに沿った郵便ポストとして設置したものであり、他のポストと同様に取り集めをおこないますのでご利用ください。
    平成13年5月 五条郵便局長


五條新町通りのことが上手にまとめられていて、理解の助けになる。

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新町界隈をひと巡りした後は、近くのリバーサイドホテルの敷地内にある金剛乃湯で一風呂浴びで汗を流す

ぬるっとした感じの天然温泉  夏のパトロールには、これがなくては・・・


往復アルファードの運転していただいたNさん、お世話になりました。感謝です。


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Comment

2020.08.23 Sun 00:51  |  五條新町

鉄分は少なめでもじっくりと読まさせていただきました。重要伝統的建造物群保存地区にもなっている五條新町は、街並みはもちろん、一流レストランがあったりして結構楽しめるエリアなのですね。本瓦の栗山家住宅の屋根のカーブは、お寺みたいで圧倒されました。奈良県内の古い街並みエリアでは橿原市今井町には3回行ったことがありました。和歌山線は王寺~高田以外は未乗なので、和歌山線に乗車した時は、五條で下車しようと思います。

  • #-
  • 京葉帝都
  • URL

2020.08.24 Mon 05:37  |  *京葉帝都さん こんにちは

五條の町並みは、予想以上に保存状態がよく、エリアも程よい大きさなので、ふらりと立ち寄るのはいいところです。コロナの影響かもしれませんが、観光客もほとんど見受けず、観光客相手の土産物屋みたいなものもなかったのがよかったです。また近鉄南大阪線を利用すれば“青のシンフォニー”も利用できますのでご検討ください。

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何カノキツカケガアレバ汽車ノ事ヲ一所懸命ニ記述シテヰル。子供ノ時ノ汽車に對スル憧憬ガ大人ニナツテモ年を取ツテモ抜ナイノデアラウ。


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    ・・・内田百閒「特別阿房列車」


        

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長崎の鴉・・長崎阿房列車

段段車窓が薄暗くなり、汽車が次第に濃ひ夕闇へ走り込んで行く時に聞く汽笛の響きは、鼻へ抜けたかさ掻きのやうな電氣機關車の聲よりも、蒸氣機關車の複音汽笛が旅情に相應しい。


          


  いつの間にか窓が眞暗になり、窓硝子に響く汽笛の音が、蒸氣機關車C62の複音に變つてゐる。


          
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