「世界報道写真展2007」
標題の写真展が梅田のハービスホールで開催していたので、処暑をかねてこの日曜日の午後に出かける。
多くの人人が訪れていたが、皆さん、真剣な面持ちで写真を見つめていた。
副題が、?地球上でおきいてる、この瞬間を忘れないようにー
報道写真は、そのありのままを伝えることが第一義である。
報道写真でいい写真とは、そういうものである。
しかし、この写真展は、普段新聞では掲載されないであろう無惨な写真も数多く展示されている。
見ていて、写真は、「生と死」が究極のテーマだとおもう。
無惨な死を撮ることにより生の喜びを・・・
そして生の享楽を撮ることにより死の静謐を・・・
この写真展では、世界各地に繰り広げられる生と死のコントラストを追いかけている写真が多い。
また、報道写真を見ると構図とか上手か否かの写真ではない。
とにかく非演出にして絶対スナップの「その瞬間」である。
この写真は、世界報道写真大賞を受賞した作品
?破壊されたベイルートの町で通り抜ける若者のグループ?(撮影 米国 スペンサー・プラレット)
破壊が日常的な彼の地における、生ける者と死ぬ者とのコントラストが一目瞭然に表わされている。
真っ赤な高級車と破壊された街との対比と後部座席の2女性の表情が見事である・・・こんな風情の写真は撮ろうとしても撮れるものではない・・・撮影者の不断の努力と被写体に対峙する気持ちがそうさせたのであろう。
いわゆる鬼が撮った写真か・・・
報道写真家の多くは、OFFタイムの写真は、ライカなどのレンジファインダーで静かに楽しむ。
と聞くが、今回この写真展をみてその気持ちが少し分かるような気がした。
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