「越前くいしんぼ旅行(2)」
(平成19年9月1日のつづき)
鯖江駅で16時31分の普通列車芦原温泉行きを待っていたら、右のほうからやってきたのは、なんと419系である。
(これは、福井駅到着の写真)
うわっ。でたっ。フランケン!!食パン電車!!
前面のライトや運転席の配置がどう考えてもヘンだ。それにはわけがある。
これは、昭和42年に登場した世界最初の寝台電車であった月光型電車のナレの果てである。
新幹線網の発展により、夜行列車が減少したものの、車両の使用年限に達していないため、改造されて近郊電車として使われている。
運転席のある車両は、もともと中間車両だったものに運転席をつけたからいびつなものになっている。
月光型電車の先頭車はとてもかっこいいものであったが、改装費の安価な切り妻にするとこうした酷いものになる。
ああ、なんというアンバランス!!
もともと寝台電車だったため、天井が高く、座席もベッドをたたんだままの状態となっている。
座席の上を見上げるとベッドが収納された状態で取り付けられている。
また窓は小さく、車内の広さに比べなんとなく閉塞感がある。
窓ガラスは、当時は2重窓であったが、これは一枚モノに改造されている。
昔は二枚のガラスの間に上下するブラインドが入っていて、それを窓の横についたクランクで操作したものだった。
窓際のテーブルについたセンヌキは、当時のママなんだろうねえ。
現在、これを使うようなビン製品を車内に持ち込む人がいるのだろうか?
ようく考えたら・・・ひとつ思い当たるものがある。
日本列島あちこちに誕生している「地ビール」がそれである。
大概あれは小瓶で上には王冠がついているから、センヌキの利用価値があるというものだ。
・・・でもそれくらいしか思い出せない。
とにかく内装および外観の特異性もあって、今後語り継がれるであろう「現在のゲテモノ車両」のナンバーワンである。
この車両も今では次第にその姿を減らしていっているので、充分に楽しんでおかねば・・・。
ようやく本日の最終下車駅「福井」に到着。
つい最近のようだが、駅が高架になり駅ビルも立派なものに変わっている。
駅ビルの屋上からニョキニョキ突き出た行燈のような部位は、ホームの明かり採りである。
越前和紙のイメージなのかなあ。
こんな具合である。
(この写真は、次の日撮影したもの)
今日のお宿は、かんぽの宿 福井
福井市の南西に位置する渕町の小山の頂上にある。
この宿は、1ヶ月後つまり平成19年10月1日から民営化される郵政公社が経営するものなので、売却されたり、合理化されたりと、荒波にさらされることであろう。
今後どうなることやら・・・哀感を込めてのお泊りと相成る。
展望風呂でひとっ風呂浴びてすっきりした後のビールは、いつ飲んでも美味いね。
旅行に来たぞ・・・という気分が最も昂揚する一瞬である。
一服した後は、・・・レストランで夕食タイム
ここの広いレストランでは木々の間から・・・何か聞こえてくる。
鈴虫の声か?・・・・りりり?ん。りりり?ん。
てっきり録音テープだと思って係員にたずねてみたら、生きた鈴虫を籠に入れてあちこちに置いているそうな。
都会の駅などでは鳥や虫の声の擬似音が溢れているので、てっきりこれも・・・と思ってしまった自分が悲しい。
さて、着席して手許を見ると・・・おおっ。ちゃんとお品書きが出ているぞ。
これは期待できそうだ!
長月のお献立・・・名づけて・・・秋浪漫紀行!!ジャジャーン!!
さて、肝心のその内容といえば・・・
「食前酒」 梅ワイン・・・あまり甘くないものでよろしゅうございました。
「先付」 刺身湯葉と生うに・南京豆腐 いくら・きのこと鯛の菊花和え
・・・冷やしたガラス器に盛られた珍味・・・のどにひんやりとして、味わい深し・・・ああ旨い。
「造り」 鮪・鰤・鯛・梅貝・甘海老・赤烏賊
・・・ユニークな皿に盛られていて興味深い。もちろん美味
「凌ぎ」 福井県産を使った手打ちソバ(写真なし)・・・残念ながら、先刻食した点心庵のそばに負けた。
「小なべ」 甘海老と冬瓜のスープ煮 松茸
・・・土瓶蒸のような料理だがスープが濃厚で美味い。こんなところで松茸に出会えるなんて・・・幸せ!
「焼き物」 ホタテと海老のゴマソース
・・・ちょっと変わった趣向のものでホタテと海老のうまみとソースが絶妙!
う?ん。お酒が進むなあ。
「台の物」 若狭牛とキノコのすき焼き
・・・ご馳走ながらこちらが満腹に近づいてきた。ここでスキ焼きは少し辛い・・・しかししかし・・・完食
「揚げ物」 鱧の梅肉シソ巻き揚げ
・・・もっと最初のほうで揚げ物を配置して欲しかったが、この美味な逸品を残すわけにはいかない。
仲間の中には、このあたりでギブアップした者もいたが・・・もちろん完食
「ご飯」 サトイモご飯 汁物 香の物
・・・テーブルの大きなお釜で炊き立てを提供してくれる。うまい・うまい・・・しかし一膳頂くだけでお代わりはできなかった。
「水菓子」 マンゴープリン
・・・折角ですので、いただました。
ああ、満腹・満腹・・・予想以上のご馳走で、大満足。ごちそうさまでした。
あとは、世界陸上見て、寝るだけじゃ・・・。
?つづく?
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