「道修町の神農祭」
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金色の小さき鳥の形して・・・と謳われた御堂筋の銀杏並木も見ごろとなった11月22日
・・・その御堂筋の一角に大きな行灯が設置された。
近代的な町並みにふと現れた純日本的なモチーフである。
11月22日と23日は、薬業関連会社がひしめく道修町(どしょうまち)の守り神「神農さん」の祭礼である。

いつもはひっきりなしに自動車が走る通りもこの二日だけは車両通行禁止。
武田薬品工業の本社に祭礼提灯が掲げられる。
これは、田辺製薬の本社・・・今の本社ビルでもこうした献灯を門前を掲げている・・・昔からの習慣なんだろう。
古きよき時代からの店舗には紋幕を張ってお祝いしている。
昔日の船場の紋日景色がそこにあった。
また、各企業が大きな七夕飾りのような装飾を軒に立てかけているが、面白いのがそこには各企業の主力製品がぶら下げてあるところだ。
武田薬品工業・・・アリナミンA
田辺三菱製薬・・・アスパラMAX
こういった一般薬だけではない。
扶桑薬品・・・セルニルトン・・・これは、前立腺疾患治療剤だ
小野薬品工業・・・カタクロット・・・これは、脳血栓症急性期治療薬・・・ああ、渋いねえ!!
堺筋に面した重厚な構えで重要文化財となっているボンドのコニシ(小西儀助商店)では、懐かしい黄色に赤いキャップの木工ボンドが鈴なりだ。
こんなところを見ながら歩くもの楽しい。
この神農さんの正式名称は、少彦名(すくなひこな)神社。
日本の薬祖神である少彦名命(すくなひこなのみこと)とともに、中国で医薬の神様である神農氏(しんのうし)をお祀りしていることから、神農さんと親しまれている由。
したがって製薬業などの業種の厚い信仰を得ている。
とにかく薬と名のつく業種にとって、道修町に店を構えるということがとてつもないステイタスなんだから。
三ツ星をもらうレストランみたいなものかな。
しかし、この神社は、いつもはヒッソリしていて、ぼんやりしていると通り過ぎてしまいそうな場所にある。
ビルとビルの隙間を入るとある僅かなスペースがその神社である。・・・狭い参道を通って参拝
提灯にもそれらしい企業名が・・・
今日はいつもと違って大入り満員。
朝早くから薬業関係の会社幹部がご祈祷してもらっていた。
そして、神農さんといえば、お守りの張子の虎。
なぜこれがお守りになったかというと、文政5年(1822)大坂で疫病(コレラ)が流行した時、道修町の薬種仲間が疫病除薬として虎の頭の骨を配合した「虎頭殺鬼雄黄圓」という丸薬をつくり、神前で祈祷をして庶民に無料で施した。
この時、病除祈願のお守りとして、あわせて施与したのがこの張子の虎。
その効能が顕著だったため、以来、張子の虎がこのお社のお守りになったらしい。
多くの参拝者が張子の虎のついた笹を受領していた。神穂料金2000円也
そういえば、職場にもあったような・・・と探せば
昔、製薬会社が持ってきた笹についていた張子の虎が3匹残っていた。
(参照) 少彦名神社http://www.kusuri-doshomachi.gr.jp/sinno/sinno.html
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