「筑波鉄道 筑波線」
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- ∇鐵道ほとがら帖/昭和編 - ├昭和55年-昭和56年
今日は、筑波鉄道。
この鉄道も歴史がある。
大正7年には早くも、常磐線の土浦駅から水戸線の岩瀬駅まで通じていたが、いまでは鹿島鉄道同様、廃止されて存在しない。
昭和55年当時、土浦駅にたまに姿を見せる旧国鉄キハ04の美しさには何度も目が釘付けになったものだ。
霞ヶ浦の予科練の玄関口でもあった木造の土浦駅は、その姿から軍艦駅とよばれていたが、つくば科学博を契機に駅ビルに建て直されてしまった。
今となっては昔の話だ。(写真と当時の新聞記事は保存しているので、後日ご披露しよう)
(閑話休題・・・それはさておき)
これは、また土浦軍艦駅が健在であった当時、筑波鉄道の真鍋車庫を訪れた際の記録である。
土浦駅に近い真鍋駅・・・ここに車庫がある。
程よいシーナリーである。
駅ホームからの風景・・・ここから車庫が一望できるのが嬉しいね。

キハ461とキハ462は、もと国鉄キハ046とキハ047である。
只今キハ461の方は、台車をバラバラにしてメンテナンス中。
TR26の華奢な台枠の様子がよく分かる。
パーツの数が多いのか少ないのかは、よく分からないが、とにかくアナログの世界であることは確かだ。
後ろに写っている台車が完成予定図!
きれいにパーツを並べているところを見るだけでも、ここの従業員の車両に対する愛情がひしひしと伝わってくるね。
これらの旧キハ04形・・・素晴らしくオリジナルの姿を維持しており旧国鉄色も加味して往年の姿を今に伝える貴重なものであった。
なんとも美しいものだ・・・。
後日譚であるが、この2台のうちの1台・・・キハ461は、その後数奇な運命をたどることと相成る。
廃車後、永らくつくば市のさくら交通公園で保存されていたが、昨秋修復されて、てっぱく(鉄道博物館)にキハ41307として展示されたのだった!!
なんというホマレであろう。
これはもう、霊験あらたかな筑波山神社のご加護としかいいようがないね。
車庫で休むバケットカーは昭和32年北陸鉄道が新造したもの。
戦後の車両で荷物台がついたものは珍しく人気の車両であった。
構内の隅に留置された異形の車両は、もと江若鉄道で現キハ510形511。
一休車両のようだったが、その後どうなったのか・・・きっとそのまま鉄道廃止の日を迎えたのではないだろうか。
一番左のキクハ11は、実に珍妙な車両である。
一時、エンジンをつけて自走できるようになっていたが、昭和45年以来エンジンを下ろして付随車となっている。爾来両運転台付にもかかわらず、自走できないケッタイな車両となっている。
C型機関車のDC202は、専ら入れ替え作業に務める機関車である。
さて、場所と日付を異にして・・・
ああ、いい天気だ。
「立てたる駒の如くして」と鉄道唱歌で謳われた筑波山が綺麗だね。
ヒバリのさえずりしか聞こえてこないポカポカ陽気の中・・・
レールのジョイント音を響かせて筑波鉄道の上り列車がやってきた。
(昭和55年5月3日常陸小田附近にて撮影)
桑畑の中を疾走するロッド式の機関車は、昭和29年三菱重工製のDD501である。
この当時は、上野から筑波までの臨時列車「筑波号」が走っていた。
この年の運転日は4月29日と5月3,4,5日であった。
これは、筑波発15時12分発の上り列車を捕えたもの。
ロッドの動きが楽しくて仕方がなかった。
この当時でもこんな機関車は数少なかったし、あっても駅構内をチョコチョコ動くだけで、こんな営業路線を12系を牽引して走る姿は、ほんと、珍しい。
筑波から土浦までの短い区間ではあるが、DD501にとって数少ない晴れ舞台であった。
惜しまれつつも・・・・昭和62年3月31日をもって廃止?
(参考資料) THEレイル1980年2月、同年3月号


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