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ベストエキザクタ(B)

私の手元に、ベストエキザクタ(B)という写真機がある。

以前エキザクタバレックスIIaという西洋甲冑に似たカメラ(1960年製)を少しアップしたことがあったが、これはそのご先祖様にあたり1935年頃製造された一眼レフ。

DSC00860-1.jpg

この黒塗りボディにニッケルの怪しい輝きには、敵いません。たちまち降参。

ライカやコンタックスもそうだが、戦前の黒塗りカメラはなぜこんなに美しいのだろうか。

じっと眺めているだけでも至福の時が流れる。

DSC00862-1.jpg

Tessar5.5cmf8をつけた時のペッタンコ風情も楽しいね。

このベストエキザクタは、老いたりといえども、フォーカルプレンシャッターは、元気そのもの。
スローやセルフも現役。

またベスト判フイルムは、苦労しながらもブローニ判フイルムから切り分けて使うことができるので、ネガ・ポジともにいつでも手にすることが出来る。

しかし・・・このカメラ、二眼レフのように上の蓋の部分をパカリと開けて、上から覗くような形でピントを合わせるのだか、ファインダーが暗くてピントがとにかく合わせにくいんだわ。

ピントグラスは、ただのすりガラスだし、ルーペも極小。

DSC09220-1.jpg

もちろん被写体は、左右が逆さまに写る鏡面像となる。

それのみならず、巻き上げも2回半の分割巻上げした上に裏窓で番号合わせの微調節が必要。
昔の人は、これでも喜々として操作していたんだろうか。

即写性は全く無く、やはり当時はこのカメラ、顕微鏡写真や複写など学術的特殊撮影用だったんだなあ。

と思い、1・2本フイルムを通しただけで、長らく使ってなかった。


先日、このレンズ、デジタル一眼でも使えるのでは?・・・とふとひらめいた豆電球

幸いにもM42のねじマウントに直径を合致させるアダプターがTessar5.5cmf8を求めたときに最初から付いている。

ヘリコイドは別に汎用のものがあるから何とかなると思い・・・

標準のTessar7.5cmf2.8のほかに、Tessar5.5cmf8とHugoMeyer TeleMegor15cmf5.5にも春の陽光を通して、最新技術のデジタルカメラで現在の風景を撮影するのも一興と思い、桜の散った長居公園に持ち出した。

(もちろんKiss?Digitalを使うと、有効センサーサイズいわゆる受光面がAPS-Cサイズなので、35mmフイルムの大きさよりかなり小さい。したがってレンズの中央部分しか使っていないということにはなるので、厳密な意味でのレンズテストとは言えないのだが。)




DSC09216-1.jpg

ヘリコイド中央の金色に輝くリングが件のアダプターである。綺麗なローレット加工が施された真鍮製削り出しの品物なので昨日・今日作られたものではなさそうだ。

DSC09215-1.jpg

Tessar5.5cmf8・・・すり鉢のそこにあるような小さなレンズはなかなか優秀だった。

IMG_2255-1.jpg

そもそも開放値がf8なんで、開放でもかなりシャープ
IMG_2256-1.jpg

f11に絞っても余り描写は変わらない。
(絞ったときのシャッタースピードの変化は、水の流れで判断できる。)



DSC09211-1.jpg

Tessar7.5cmf2.8・・・シリアルナンバーが191万代なので、1936年製であることがデータから分かる。
ボディと時代が合う。

IMG_2261-1.jpg

これが開放f2.8・・・この独特のにじみは一体なんだ?

ファインダーを覗いている限り、こんな風に見えないんだけどな・・・?
もちろんレンズの曇りなんかないしね。数ある手元のテッサーでもこんなのないな。

IMG_2261-2.jpg

こんな風にハイライト部分にベールが掛かったようになる。  これじゃ蛙の卵みたいだ。

IMG_2259-1.jpg

しかし、絞ってf8ではこのように収まる。


DSC09210-1.jpg

HugoMeyer TeleMegor15cmf5.5・・・煙突のような格好になる極めてスリムなレンズ。

このレンズの来歴が面白い。
とある中古カメラ店でこのレンズの姿かたちが気に入って、何に使うのかも分からずに購入したレンズだった。なんとか手を加えれば、一眼レフで使えるだろう。という安易な考えで入手した。

その後数年してベストエキザクタが我が家にやってきた。そのときは気づかずに、数年たってある日、手元にあるこのレンズをボディにあわせて見れば、なんと、ぴたりと合致した。

その驚いたことといったら、思わず「わわっ!!!」と大声を上げた次第。このカメラのレンズだったのか・・・と。


望遠レンズなので、開放値f5.5での写りが気がかりだったが、かなりシャープだ。
IMG_2262-1.jpg


f11でも同様。
IMG_2263-1.jpg




もう一度、Tessar7.5cmf2.8で牡丹を撮影してみた。

IMG_2299-2.jpg

開放f2.8・・・花の周囲にまとわりついたようなにじみがある。


IMG_2301-2.jpg

しかし、f11では極めて諧調豊かに、かつシャープに写る。


このレンズ、とにかく古いものなので、人の手が加えられたため、こんな写りをするのかもしれない。

だがしかし、まともに写るレンズが市場に溢れている昨今、こんな写りをするレンズは面白いことは確かである。

IMG_2304-1.jpg


シルバー人材センターの登録員のように、老いて矍鑠・・・今後の活躍の場がまだまだありそうだ。










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Comment

2008.04.23 Wed 21:07  |  

うわぁ、これ現物を見た事すらないですよ(汗
これが目の前にあれば眺めているだけで一晩中酒を飲めそうな雰囲気です。
レンズも広角・標準・望遠の3セットってのがまた…

おまけにデジタルで試写まで行われたとは脱帽であります。
確かに Tessar75/2.8 の滲みは気になりますねぇ。
ベス単フード外しの雰囲気とも異なりますし
何とも不思議な描写で面白いと言えば面白い^_^;

f4~f5.6で撮るとどうなるか気になります(笑)

2008.04.23 Wed 22:12  |  

*Agasさん。こんばんは。
 完動品のベストエキザクタも今となっては稀有な存在でしょうね。
しかし使いづらいんですよ、ファインダーが・・・。
レンズに関してですが、絞りの細かい設定してません、レンズテストは、開放値がそのレンズの味だと思いますので。

しかしこの交換レンズは持っているだけで満足する逸品です・・・フフフ。

  • #-
  • ファジー
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2008.04.24 Thu 11:43  |  ち~とも怪しさを感じないなんて

やはりニコマート使いだからでしょうか。

去年、F3にニッコールの50ミリf1.4をつけてみたところ、光漏れが生じてしまったのですが、よく考えたらアダプターが必要なんでしょうね。Ai対応ではないですし。

しかし、何てレンズでしょうね、被写界深度がよほど浅いのでしょうか。
私も二眼レフの6×6を引っ張り出してこようかな。

2008.04.25 Fri 07:28  |  

*なにわさん。こんにちは。
 F3にニッコールの50ミリf1.4をつけると光線漏れ・・・マウントは同じものなので、そんなこと考えられませんが、なぜでしょうか。

二眼レフは、今でも人気がありますが、余り街中で持っている人を見ないのが残念です。

  • #-
  • ファジー
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2008.04.25 Fri 08:47  |  

おはようございます。
珍しいカメラをお持ちですね。
貴重品、珍品
でも味のある仕上がりですね。
街中でこのカメラ見ることが出来るで
しょうか

2008.04.26 Sat 08:21  |  

*junsbarさん。こんにちは。
 このベストエキザクタは、珍しいカメラになるでしょうね。中古カメラ店でも余り見ることはないでしょう。さらに壊れているものが多く完動品となればさらに数少ないですし、この交換レンズはさらにレアものです。

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 用事が なければどこへも行つてはいけないと云ふわけはない。
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長崎の鴉・・長崎阿房列車

段段車窓が薄暗くなり、汽車が次第に濃ひ夕闇へ走り込んで行く時に聞く汽笛の響きは、鼻へ抜けたかさ掻きのやうな電氣機關車の聲よりも、蒸氣機關車の複音汽笛が旅情に相應しい。


          


  いつの間にか窓が眞暗になり、窓硝子に響く汽笛の音が、蒸氣機關車C62の複音に變つてゐる。


          
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