銭函 北海道一周お気楽旅行(その4)

マンサードの玄関口がお洒落な、函館本線・銭函(ぜにばこ)駅
遠い昔、ニシン漁が大漁であった頃を髣髴とさせる駅名である。


北海道鉄道100周年のモニュメントがホームに設置してある。
明治13年開駅の文字に歴史を感じる。
またこの駅は、映画のロケーションに使われたとの話を、今回の旅行中に耳にしていた。
ただ映画自体は、まだ公開されていなかったので・・・とにかく漠として??だった。

高倉健が主演の東宝映画「駅/STATION」・・・翌年の昭和56年11月公開予定の映画ロケとして撮影に使われたことが判明した。

当時のパンフレット・・・日比谷有楽座へ観に行った際購入したもの
表紙にも銭函駅のホームが使われている。
―1968年1月 直子―
北海道は、銭函駅。
雪の降り続くホームで、英次は妻の直子と4才になったひとり息子の義高に別れを告げた。別れる事はなかったかもしれない。たった一度の過ちを、直子が苦しみ、悔いていることを英次は知っていた。
またオリンピック選手であるため合宿生活が続いたことも原因のひとつであった・・・
静かに離婚を承諾した直子は、動き出した汽車のデッキで、英次に向かってニコッと笑い、そしておどけて敬礼した。しかしその瞳には涙が溢れていた。
やがて粉雪が列車を白くかき消した・・・。
*「銭函」(ぜにばこ)
「駅」のファースト・シーンの撮影が始まった。主人公の三上(高倉健)が、妻(いしだあゆみ)と離婚を決意し、別れて行く場面の撮影だが、13年前というシナリオの時代背景もあって、デッキの付いたディーゼル列車でなければならない。
しかし、この列車が銭函駅に着くのは、一日に1本、2分の停車時間しかない。
1日目は、スタッフ全員が朝の9時から、ホームで入念なリハーサルを繰てり返し本番に備えた。2日目、小雪が舞い零下7℃という寒さの中を緊張して列車を待つ間に、この小さな駅に見物人が300人以上も押しかけ大混乱になってしまった。
健さんが一人で列車を見送るという設定なので、スタッフは平身低頭して待合室まで引き下がってもらい、乗降客にも素早い移動をお願いして、画面には出ない苦労を重ねて、ようやく撮影を終了した。
終わったとたん、出演者やスタッフから期せずして拍手が巻き起こった。
「いしださんがいい芝居をしてくれましたねー。」と健さんは初顔合わせのいしだあゆみをねぎらっていた。

冬の北海道ロケ・・・パンフレットより
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Comment
2009.07.28 Tue 12:26 |
定期列車でぶっつけ本番の撮影だったのですか。。でも、昔の映画って、結構当たり前にそういう撮影がおこなわれていたようですね。
今なら撮影のための列車を仕立てたりしちゃうんだろうなぁ。
- #-
- うたに
- URL
2009.07.28 Tue 13:36 |
マンサードがくたびれて見えるのは冬の日本海に面しているからでしょうか。夏に行ったときはそう感じなかったですが。
いまなら大井川で収録して、雪をCGでつけちゃうんでしょうか。
あるいは721系でしれっと撮っちゃいかねませんね。
- #JyN/eAqk
- なにわ
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2009.07.28 Tue 15:57 | *なにわさん こんにちは
銭函駅のマンサードは、30年前はこんな感じでしたが、現在では改装されているようです。
駅前の地面が砂利道なのは、それが普通だったのか、工事中だったのか・・・今となっては不明です。
現在の撮影だと大井川+CGというところかも知れませんね。
しかし最近の映画・TVドラマなどでは、戦前のシーンは大井川というシナリオができているみたいで食傷気味です。
三丁目の夕日みたいに上手にCG使えばいいと思うのですが・・・。