昭和55年 留辺蘂~釧路 北海道一周お気楽旅行(その7)
本日は道東の内陸部を走る。 網走8時3分出発

女満別駅
ここにも石北線の合理化粉砕の立看板あり。

北海道で特急車両を見たのは、これが最初で最後となった。



10時38分発網走行き 急行大雪1号・天都 しかしひどい編成だ。
その後、北見に戻り津別に抜け、相生線の北見相生駅に行く。


北見相生駅・・・昭和60年4月1日国鉄相生線廃線とともに廃駅
ずっと網走川沿いに線路と併走したが、走行中一度も列車に出会うことはなかった。
阿寒・摩周の湖も眺望することが叶い、川湯駅を経て屈斜路湖に遊ぶ。

川湯駅・・・現在は川湯温泉駅と改称され、昭和11年築のロッヂ風のおしゃれなこの駅は、北海道の名駅舎のひとつ。


弟子屈駅(てしかが)・・・現在は摩周駅と改称されている。
駅前の丹頂鶴のイラストが入った「阿寒バス」が、道東に来たことを自ずと体感させてくれる。
本日のお宿・・弟子屈にある摩周パークホテル
ホテルという名前が付いているが、旧館だったので純然たる和式旅館。同乗者は不満を言っていたが、趣ある落ち着いた雰囲気はなかなかのものと小生は大いに喜ぶ。
大浴場の脱衣場にある体重計が「貫」表示だったのも特筆すべき点なり。
試しに乗ってみると・・・16貫と少しか・・・判らんなあ??
体重計は完全に作動するがゆえに、タイムスリップしたような誠に不可思議な存在だった。

昭和55年7月31日 今日の目的地は、最東端・納沙布岬である。
弟子屈を午前8時に出発。

根室標津駅(ねむろしべつ)・・・平成元年4月30日JR標津線廃線とともに廃駅
中標津で給油したのち、野付半島を経て風連湖を左に見つつ厚床に行く。

厚床駅(あっとこ)はさいはての駅そのものであり、黒色に変わった駅舎の外壁板が風雪の厳しさを醸し出していた。

雪の多いところなんだろうね。信号ケーブルが地上からずいぶん高いところに設置されている。

根室駅・・・ついに日本最東端の駅に到着・・・あっ、違った。日本最東端は、一つ手前の東根室だった。

根室から今は無き根室拓殖鉄道の跡地に沿って納沙布(ノサップ)に車を進める。
約12kmの道程は、ダート道も多いため舞い上げる砂塵も馬鹿にならない。
難渋の果てに到着した納沙布岬は霧の中であった。

北方領土は、歯舞・水晶島の灯台がわずかに見えたに過ぎない。
灯台前に来たときいきなり霧笛が突如鳴り出し、かなり肝をつぶした。
納沙布は、白く寒いところであった。
釧路へは、途中霧多布岬(キリタップ)を経るが、舗装されていないダート道多く運転しづらい。

岬付近は台地であり、急に海に没している。
夕刻ゆえ、霧が少しかかり彼方に望む数々の岬がいろいろな色彩に変容し、極めて美しい景色を呈していた。
ただ、なにもないさいはての岬であった。
厚岸湖をかこむように厚岸に進む。
厚岸(あっけし)までの道はほとんどが未舗装で、観光地としてもあまり開拓されていないことがうかがえる。
北海道最後の夜は、釧路の東急インに宿泊。炉辺焼きでホタテ・つぶ貝など北海の珍味をたらふく食す。
(つづく)
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Comment
2009.08.09 Sun 00:07 |
留辺蕊・弟子屈・・・難読駅が沢山ありますね。見ているだけで、旅情をそそられます。
急行大雪1号・天都、何ともひどい編成ですね。本当に急行かと思ってしまいます。
2009.08.09 Sun 08:18 | *のりさん こんにちは
北海道には難読や奇妙な駅名が多く存在していたのでそれらを巡る旅でもありました。現在では姿を消した駅(名)もありますので、このとき行っておいて良かったと思っています。
2009.08.10 Mon 12:32 |
横浜高校で松坂が投げている高校野球の試合をラジオで聞きながら車を運転し、納沙布岬へ行ったことを思い出しました。懐かしいです。
納沙布岬は人影もまばらで静かな所でした。売店で配っていたカニの味噌汁が抜群にうまかったなぁ。。
- #-
- うたに
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2009.08.10 Mon 14:13 |
女満別って特急停車駅だったような気がしますが、昔のまんまですね。
いや、女満別の空港も85年に建て替えられるまで戦後すぐのような状態(元は海軍の美幌基地)でしたから。
納沙布に行った日が8月15日のお昼前、みんなでソ連の悪口を言ってましたっけ。私の時は谷繁でした。
そうそうカニ汁は稚内の駅前の食堂でいただきました。
- #JyN/eAqk
- なにわ
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2009.08.10 Mon 15:34 | *うたにさん・なにわさん こんにちは
お二人とも納沙布には行かれたことがあるんですね。彼の地は本州人にとっては宗谷岬とともに最果ての地として、何かひきつけられる場所です。
ここでカニ汁を食べた記憶はありませんが、やたら寒かったような覚えがあります。また天然記念物の花咲灯台車石(ホイールストーン)も見てまいりましたが、写真は人物がしっかり写っているので割愛しました。
私の場合は、時期的には高校野球には少し早いので、ラジオではなくカセットテープ(これも死語に近い!)でも聞いていたのでしょう。確かシコタマもって行ったような気がします。
2009.08.12 Wed 11:01 | 納沙布岬
冬に行きました。凄い風で砂粒手が飛んでいたのを思い出します。
バスが発車しようとすると路面が凍結していて乗客全員で後ろから車体を押してなんとか動きました。過酷な地という印象でした。
- #-
- サットン
- URL
2009.08.12 Wed 21:08 | *サットンさん こんばんは
冬のノサップとは、また凄い情景ですね。この蒸し暑い亜熱帯の大阪にいると、果たしてて気分だけでも涼むことが出来ました。
バスのスリップのお話、興味深く拝読しました。こんなことがあるのが思い出となる北海道旅行ですよね。
2010.02.20 Sat 22:01 |
根室駅、女満別駅で下車した事がありますが、駅舎も駅名標も撮ってませんでした。
当時は入場券収集、スタンプ押しがメインでした。まだ中学生の時でしたので。
釧網本線の各駅は、やはり北海道らしい姿の駅ですね。
飲料の自販機も昔はスマートでしたね。
- #-
- シービー
- URL
2010.02.21 Sun 07:53 | *シービーさん おはようございます。
私も、列車の停車時間が長いと、駅舎の写真と入場券、スタンプ帳への押印の3点セットで乗り鉄してました。
現在の巨大な飲料の自販機を見ていると、当時のものは簡素なものに思えますね。同感です。
2014.01.12 Sun 07:31 | *きゃべつ太郎さん こんにちは
古い記事にも拘らずコメントをいただきありがとうございました。
この当時と比べ現在の鉄道路線は、目も当てられないような状態ですね。JR北海道の不祥事もあり、今後の信用回復が上手くいくのか心配です。
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