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熊野街道の起点を歩く(10) 阿倍野元町~住吉大社

(前回からのづき)


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さらに旧街道の雰囲気をたたえる細い道を南下すると、晴明丘公園で経塚と表示した石碑を見つける。

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このあたりは、「小町塚」「播磨塚」など「塚」に由来する史跡が多い。

近世まで阿倍野は、大坂市中の死者を捨てに行くところと教えられていたので、そういった墳墓の多い土地なのだろう。

経塚といえば、お経を埋めた塚と思われるが、墳墓の一つかもしれない。

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興亞コンクリート工業株式会社とかすれた看板がかかる門柱の前にも熊野街道の石碑あり。
この界隈ではこの手の石碑に出会う回数が多い。

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ふたたび阪堺線とは、ここ「北畠」で合流する。

しかし、このパッチワークの路面なんとかならんかなぁ・・・。
北畠(きたばたけ)の名前は、北畠親房の子顕家に由来する地名。

北畠顕家は、南北朝の戦いで、堺・石津で討ち死にしたが、1700年代の享保時代になってから太平記などの伝承に基づき、顕家のものと伝えられる墓をこの地に建て、顕彰された。

このことが発端で、この地が北畠と呼称されたものと思われる。

南朝を正統視する風潮に押されて明治初年に阿倍野神社が建立され親房・顕家父子が祀られるようになったが、楠木正成と同様にその人気の程が知れる。

常陸小田城で親房が神皇正統記を著した時期と、顕家が討ち死にした時期とを比べればほぼ同じだが、1年ほど後者の方が早い。

親房は、わが子・顕家の戦死を悲しみながら執筆したので、南朝正史には、より力が入ったものと思われる。

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北畠や姫松の電停のある地域は、いわゆる「帝塚山」であり、豪奢な邸宅が立ち並ぶ大阪市内隋一の高級住宅地であるが・・・

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阪堺線の線路脇には、このような古いアパートも点在するのが面白い。


北畠のひとつ南の電停「姫松」で南港通りと交差する。

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電停の待合は、なんとも古色豊かで・・・思わずカメラを向けてしまう。

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この交差点の少し南側から旧街道にそれるが、その曲がり角が非常に分かりにくい。

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この建物の間の細い路地を進まなければならない。

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路地を道なりに進むとこの石碑が目に入るので、これで正しいことが自ずとわかる。


途中に旧大阪女子大の旧校舎があったが、残念なことに只今取り壊し中!

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見る限り大正末期~昭和初期の建築様式のようだが、同大学はこの発祥の地を後に、堺の大仙キャンパスへ移転したから随分の年月が経ているし、今では大阪府立大と統合されている。

そのためか、旧校舎の取壊しに何ら反対運動も耳にしていないし、この取壊しのニュースも全く聞いていないのが寂しい限り。

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こんな時に、たまたま前を通ったのも何かのご縁と、何枚も写真を撮影してお別れする。(平成21年9月26日)

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旧大阪女子大の校地の南に広がるのが万代池である。この畔も市内屈指の優良住宅地である。


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霊感占いで一世を風靡した方の邸宅もこの池のほとりにある。


再び線路沿いに出ると、ここに大好きなレトロ長屋がある。

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レトロだが、当時のモダンなデザインを取り入れて、新築当時は周囲を圧倒するような存在感があったのでは・・・といつも思ってしまう。

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本日の訪問でも、居住民の存在により、この建物が現役であることが確認できて何よりも嬉しい。

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帝塚山四丁目の電停を右に見て、さらに細い道を進む。

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緩やかなカーヴを描くような道筋を進むと、南海高野線と阪堺線とが交差する地点に出る。(南海・住吉東駅北)

運良くナンバ行きの南海・こうや号がやってきた。


目の前を通り過ぎた後振り返ると・・・なんと阪堺線の車輛もファインダーの視野に入った!

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なんともラッキーな写真が撮れた・・・今日はついているようだ!

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住吉大社まであと僅かだ・・・歩け!歩け!


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街道沿いには由緒ありげな寺社が多い。こちらは宝泉寺


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さらに進むと、阪堺電車に広告を出している帝塚山芋忠さんの本店があったり、住吉街道との交差点では住之江味噌の名店、池田屋さん がどっしりとした店舗を構えていた。

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屋根の上に載っている住吉燈籠が、このお店の目印だ。

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ここを右折すれば住吉大社の東門にたどりつく。


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熊野詣には欠くことのできない参詣地のひとつ「住吉大社」にようやく到着した。

西側の住吉鳥居前にくらべ、ものすごく質素な入口で、裏門的存在になっている。

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・・・つづく








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Comment

2009.10.26 Mon 20:36  |  

電停の待合にレトロ長屋。ぶらつくだけで楽しくなりますね! 帝塚山界隈、行ってみようかな♪

  • #-
  • ぼんくらオヤジ
  • URL

2009.10.26 Mon 22:51  |  

あらためて眺めてみますと、由緒あるものが多いですね。それらが、長い年月の間に町並みと一体化してしまう。とても素敵です。そんな町並みを縫うように走る上町線の風景も魅力的です。

2009.10.26 Mon 22:56  |  *ぼんくらオヤジさん こんばんは

この電車通りは、落ち着いた町並みでゆったりとした時間を楽しめるエリアです。
迷えばそれなりに楽しい・・・ショートトリップとしてもお奨めの一角です。

2009.10.26 Mon 23:00  |  *のりさん こんばんは

のりさんにとっては身近な小道だと思いますが、小生にとっては神ノ木以南は始めてのルートだったのですが、芋忠さんの本店もあったりと発見の多い街道筋でした・・・楽しいことがまだまだ続きます。

2009.10.28 Wed 12:40  |  

あ~。やっぱり路面電車はいいなぁ。
阪堺電車と、こうや号との交差ショット、おみごとです。狙ってもなかなか出来るものではないので、すごくラッキーですね!
屋根の上に燈籠とは面白い。
最近NHKで"ブラタモリ"という番組も始まりましたし、街歩きを楽しむ人が増えそうな予感です。

  • #-
  • うたに
  • URL

2009.10.28 Wed 13:53  |  *うたにさん こんにちは

阪堺電車と南海の普通車とのカップリングであれば粘って数打てばあたるのでしょうが、「こうや号」となれば話は違います。このときは一番良いシャッターチャンスを求めて年甲斐もなく少し興奮してしまいました(笑)

2009.10.31 Sat 19:23  |  

昭和初期に区画整理を行ったので、斜めの道となっているのでしょうね。

  • #JyN/eAqk
  • なにわ
  • URL
  • Edit

2009.10.31 Sat 21:26  |  北畠というと

この地名を聞くとどうしても銀行立てこもり事件を思い出します。
地図の右端の交差点にあるのが現場でしょうか?

  • #-
  • サットン
  • URL

2009.11.01 Sun 14:42  |  サットンさんへ

あえてスルーしていたのに・・・。

南港通とあべの筋の交差点に昔と同じ様に建っています。

  • #JyN/eAqk
  • なにわ
  • URL
  • Edit

2009.11.01 Sun 16:53  |  *サットンさん なにわさん こんちには

三菱銀行の北畠支店ですか・・・今でも播磨町の角に同じようにしてmufgの支店として現役です。過日利用したことがありますが、当然ながら当時を偲ぶようなものは外観しかありませんね。

2009.12.17 Thu 11:40  |  はじめまして

先日仕事で大阪(阪堺電車沿線)を訪れたとき、気になって撮った「レトロ長屋」の写真を自分のブログにアップしました。(←写真はとてもお粗末なんですけれど..)そうしたら、こちらのブログにもその建物の写真があるというコメントをいただき、お邪魔いたしました。
他の記事も拝見して、すっかりファンになってしまいました。また遊びに参ります♪

2009.12.17 Thu 22:51  |  *kadoorie-aveさん こんばんは

拙ブログに興味をもって頂きありがとうございます。
帝塚山のレトロ長屋は電車道に面していますので、多くの方がご存知のようです。

また南海高野線帝塚山駅南には圧倒的な存在感の地蔵踏切もありますので、是非ご覧ください。
http://fuzzyphoto.blog120.fc2.com/blog-entry-932.html

今後ともよしなに・・・

2010.01.12 Tue 19:43  |  こんばんは

やはりすごく素敵で、
またコメントをしに来てしまいました。

昨年から何度も見ているのに、この長屋は忘れられません。
浜寺公園から阪堺電車に乗っているので
このあたりは通っているのでしょうね。
でも夕刻なので残念ながら周りの景色は見えませんでした。

ぜひ時間を作りこの辺りを散策してみたいものです。

2010.01.12 Tue 22:12  |  *芋太さん こんばんは

この長屋はかなり昔から認識していて、阪堺電車に乗るたびに車窓から眺めていました。
夜帝塚山をぶらぶらしたときにこの家からこもれ灯が見えたとき無性に嬉しくなりましたね。
人が住んでこその住宅です。末永く生きた財産として使って欲しいものです。
ごく近くある南海高野線・帝塚山駅の地蔵踏み切りも驚愕の物件ですよ。
もうご覧いただけましたでしょうか?

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 阿房(あほう)と云ふのは、人の思わくに調子を合はせてさう云ふだけの話で、自分で勿論阿房だなどと考へてはゐない。
 
 用事が なければどこへも行つてはいけないと云ふわけはない。
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    ・・・内田百閒「特別阿房列車」


        

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長崎の鴉・・長崎阿房列車

段段車窓が薄暗くなり、汽車が次第に濃ひ夕闇へ走り込んで行く時に聞く汽笛の響きは、鼻へ抜けたかさ掻きのやうな電氣機關車の聲よりも、蒸氣機關車の複音汽笛が旅情に相應しい。


          


  いつの間にか窓が眞暗になり、窓硝子に響く汽笛の音が、蒸氣機關車C62の複音に變つてゐる。


          
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