帝国ホテル120周年にあたって
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そこで、タクシーを捨てて同ホテルの1階エントランスから入るとそこでは何やら面白そうな催し物をしていた。

「帝国ホテル120周年の歴史展」


帝国ホテルというと、フランク・ロイド・ライト設計によるライト館が夙に有名であるが、それは2代目の建物であり、初代はこんな具合だった。

明治23年11月3日 開業
説明書きによると・・・帝国ホテル開業の3週間後の明治23年11月24日国会議事堂が竣工し、翌日第1回帝國議会が召集された。
貴族院議長の伊藤博文は、帝国ホテルに宿泊して国会に臨んでいたが、翌年24年1月20日国会議事堂は一部を除いて焼失し、24日からは仮議場を帝国ホテルに移して3月末に記念すべき第1回帝国議会を無事終了したとのことであった。
そしてそこに展示していた自然石の装飾品が展示してあった。
松に鷹が止まったような模様のある自然石板の謂れが面白い。

これは、明治期から長らく貴族院玄関に飾られていたもので、戦後帝国ホテルに移設され賓客用スイートルーム244号室に飾られていたものである。
その後ライト館解体に至るまで、飾られていた明治より現在までの歴史的遺産となっている。
しかし、これははじめて見た! 確かに枝振りの良い老松の下に振り返る鷹の姿が見えるね。
そして、こちらはお馴染みの旧本館「ライト館」の資料


実際に使われていた大谷石と・・

タイルの数々が展示されていた。(上部の電球がガラスに反射して写りこんでいるが、これは仕方ない。)

またこんな精緻な飾りガラスがあちこちに使われていたとは・・・建築資金が膨大なものになったというのも肯ける。
それと・・・

余りにも有名なライトの椅子と机

この椅子の模写したものは、明治村の帝国ホテル玄関でも出会える。

しかし、裏面がどんな風になっているのかが、長年の謎だった。でも念願叶い今回ようやく氷解した。
裏面のほうがそのデザインの理念を具現するような直線的な力強さを感じる。素晴らしい意匠である。

(参考)平成2年当時の明治村における帝国ホテル内部の様子 同様の椅子が使われているのがわかる。
また同ホテルの名物料理の数々と、展示物のひとつひとつが興味をそそるものばかりだった。

今でもグレイト・レコーディングシリーズで当時の歌唱力を聴くことが出来るフイヨールド・イワノビッチ・シャリアピンゆかりのシャリアピンステーキは余りにも有名である。
牛肉のステーキが大好きだったシャリアピンであるが、昭和11年の来日時、歯の調子が悪く、ステーキが食べられない状態であった。
当ホテルのニューグリル長筒井福夫は、日本のすき焼きをヒントに筋切して薄く叩いた牛肉に長ネギの代わりに玉ねぎを使った料理を提供したところ大好評で、以降当ホテルにシャリアピンの名を冠して提供することを許されたということである。

大空の女王と謳われた巨大飛行船ツェッペリン伯号は、昭和4年8月19日に世界一周の旅行中日本に立ち寄った。
帝国ホテルは、次のコースである東京→ロサンゼルスの船内の食事を担当した。
乗客・乗員61人の6日分の食材は総重量で1屯に制限されていた上に、当時の飛行船は水素を使っていたため火気厳禁という条件があり、スタッフは試行錯誤を重ねた。
食材ではスモーク技術、すなわち保存食品の代表格であったハムやソーセージ、ベーコンやスモークサーモンが大活躍した。
そのほかに、ドイツ人が持参してきたものを「ビーフティー」というものを参考にして、試行錯誤の上でビーフのコンソメを濃縮してキャラメル状にしたものを作ってこれを積み込み湯で薄めて提供していたようだ。
このとき生まれた様々なアイデアが現在の機内食にも生かされているという。
大いに勉強になりました。

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Comment
2010.01.27 Wed 17:40 |
わぁ、私もライトのイスの裏面ははじめて見ました。ライトらしくて美しいですね。金箔格子入り窓ガラスにもウットリです。(ちょうどさっきまで、仕事でライトの似顔絵を描いていたところです!)
2010.01.27 Wed 22:08 | ここで、サイモン&ガーファンクルを
最後のアルバムの最後の曲、「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」が出てくるんです。ボサノヴァの明るく二人のコーラスは素晴らしいの曲なのですが、実は建築学を学んでいたアートにポールが別れを告げる曲だというのが物悲しいのです。
ポール・サイモンには「コダクローム」という曲がありましたっけ。
(オヤジさん、ありがとうございました。フジもラボが統合されて、大和郡山から堺に移動しています)
本題に戻します。
新幹線の食堂車にはシャリアピンステーキってあったのでしょうか。
食べたければ天満に行けばいくらでも食べられるのですが。
そうそう、堅田の件ですが、12月31日期限のポイント引換葉書があって、閉店が19時だったので、線路から見える店に飛び込んだというわけです。
その道がどうも江若鉄道の跡のような感じがするのですが。
2010.01.27 Wed 22:25 | *kadoorie-ave さん こんばんは
ライトの似顔絵とは、驚きました。
グットタイミングでしたね。
私も金箔格子ガラスなんて細かい作業がなされていたなんて驚いた次第です。
2010.01.27 Wed 22:33 | *なにわさん こんばんは
堅田の件、よく分かりました。
昭和の終わりの頃まで、ボンネットバスとともに江若鉄道の本堅田駅残ってましたよ。写真に撮ってます。
また機会を設けてご披露します。
2010.01.27 Wed 22:37 |
帝国ホテル正面玄関、明治村でお目にかかりました。本当に玄関部分だけでしたが(笑)。
ライトの椅子、とても素敵ですね。
そういえば、明治村の蒸気動車が修復されて、新しく出来るJR東海の博物館に移管されるそうですね。現存する唯一の蒸気動車、たしか小学校の社会の時間に、関西線で使用されていたことを知りました。
2010.01.28 Thu 07:18 | *のりさん おはようございます。
>明治村の蒸気動車が修復・・・存じませんでした。
明治村の静態保存されているのは見学したことありますが、整備されて復元されるとは驚きとともに大いなる喜びです。
是非見に行かねば・・・。
2010.01.28 Thu 19:14 | 亀甲柄
椅子の背の亀甲スタイルは帝国のシンボルですね。今でも東京の宴会場の椅子はこのデザインなのでニュースなどに登場しても帝国だとわかります。
ガイシ系ホテルがもてはやされる昨今ですが、帝国ホテルの知名度は抜群です。日本でホテルというと帝国かハトヤです!
- #-
- サットン
- URL
2010.01.29 Fri 07:01 | *サットンさん おはようございます
亀甲スタイル・・・今でも本家では使っているのですね。大阪では見かけません。
伊東に行くならハトヤ♪・・・大阪でもCMが流れていた頃がありましたが、今はどうなっているのでしょうか。
2010.01.30 Sat 11:07 | では、アドレスを
つttp://www.hatoyahotel.com
(直リンクのhを外してあります)
残念、認証用キーワードが4126じゃなかった。
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