大阪府 津波・高潮ステーション
特に大阪湾に面したところは、台風の風の被害というより、高潮による水没被害が目についた。
近年では、昭和9年の室戸台風、昭和25年のジェーン台風、昭和36年の第二室戸台風と甚大な被害をもたらしたが、その教訓と現在のそれにたいする対応を学ぶ公的な施設が地下鉄「阿波座」駅の北西にあるというので、子供たちの社会勉強を兼ねて出かけてみた。
名称は、「津波・高潮ステーション」・・・また豪直球なネーミングやなあ!

大阪府の西大阪治水事務所が運営主体となり、市民に対する啓発活動の一環として平成21年9月8日常設館がオープンした。

利用は無料である。



エントランスを入ると、海抜0メートル地域の様子が再現されている。

川面が住宅の二階部分に相当している。

現在は頑丈な堤防で守られているが、大きな地震で亀裂が起これば・・・と考えると恐ろしい。
2階の窓の横にある三本の水色のテープは、昭和9年の室戸台風、昭和25年のジェーン台風、昭和36年の第二室戸台風の台風時の水面の位置を示している。

次のコーナーは、その3大台風の被害状況を展示してある。

昭和6年の室戸台風のコーナーでは・・・「昔は気象レーダーはなかったので、普通に生活していた市民が突然の巨大台風上陸によって大きな被害を受けたんやで。授業中の木造校舎が強風で倒壊して大阪市内だけでも267人の児童が死んでしもた。」などと子供たちに説明するも・・・分かっているのか分からないのか、気のない返事しか返ってこない。台風被害を身をもって体験していないと、こんなものなのかも知れないね。

(朝日新聞社・報道写真傑作集1951年号より)
これは、ジェーン台風時の実家付近の様子・・・過去記事からの転載写真

模型でアーチ型水門の開閉の様子を見せてくれる。これは高潮をこれ以上川上へもたらさない為の可動式防潮堤である。
奥のコーナーは、地震と津波のコーナー。最近チリで大地震があったばかりで、やはり関心は高い。

この石碑は、大正橋のたもとにある「大地震両川口津波記」のレプリカである。
本物は、もちろん石造りであるが、これは合成樹脂製・・・でも実際レプリカを作る際には高くついたことだろう。

表面に「南無阿弥陀仏」と刻してあるので、お墓とばかり思っていたが、南海地震とそれに伴って発生した津波の犠牲者の供養塔であると同時に、後世の人にそのことを伝える警告の碑文であった。

この対照表を見ると、過去の事例では、東海・東南海・南海の地震は、ともに関連していて約100年毎に一体として発生しているが、東海地震はすでに150年発生していない・・・ということは・・・(冷汗

最後にダイナキューブという津波災害体験シアターを見る。
大きな三方スクリーンに津波の様子がオドロオドロしい地響きとともに再現される。




サスガの子供たちも固まってしまった。フリーズ状態

- 関連記事
-
- 阪神淡路大震災から20年目を前にして (2014/06/15)
- 京セラ大阪ドーム野球観戦記 (2010/07/24)
- 安政2年 大地震両川口津浪記 (2010/05/06)
- 大阪府 津波・高潮ステーション (2010/05/03)
- 大阪・白髪橋と土佐との関係とは? (2010/04/09)
- 三菱発祥の地・岩崎彌太郎ゆかりの大阪・土佐稲荷 (2010/04/06)
- USJのペアチケットが当った!! (2009/06/03)
- 証明写真の宣伝用ポスター (2008/08/09)
- 「USJ・・・父の日感謝キャンペーン」 (2007/06/18)
- 「プラレール博」 (2007/01/03)
- ☆わからない? (2006/09/27)
- ☆USJ (2006/09/25)
- ☆恐竜の卵 (2006/07/17)
- ☆続・大阪ドーム (2006/06/20)
- ☆大阪ドーム (2006/06/19)
- Tag :
- 大阪府
- 津波・高潮ステーション
- 阿波座
- 台風
Comment
2010.05.04 Tue 10:09 | *ぼんくらオヤジさん おはようございます
名古屋からならば、日帰り圏内でしょう。ここは、地下鉄阿波座駅からスグなので、時間のロスなく見学できますよ。その後地下鉄で天王寺に向かい、阪堺電車で堺市に入るのが吉でしょう。
阪堺電車の終点にある南海の浜寺公園駅も必見ですよ。
是非お越しください。
http://fuzzyphoto.blog120.fc2.com/blog-entry-762.html
2010.05.04 Tue 12:00 | http://205-161-205.at.webry.info/
この施設、少し前にテレビでも紹介されていたのを覚えております。過去幾度と無く巨大台風の襲来を受けた大阪湾。聞くところによれば、紀伊水道を北上し、大阪湾に入る台風は、よほど根性が座ったものでないと、そのコースを取りにくいそうです。昨年の台風も、前日の進路予想では、まっすぐに大阪に向っておりましたが、四国沖で、急に進路を東に振り、紀伊半島をかすめました。
室戸・ジェーン・第二室戸・伊勢湾、悲しい出来事ですが、日本の防災力を高めるきっかけとなった台風ですね。
Trackback
- URL
- http://fuzzyphoto.blog120.fc2.com/tb.php/976-df6fcad8
- この記事にトラックバック(FC2Blog User)