昭和57年南紀一周気まま旅(その1) 天王寺~串本

下記記事は、当時の日記帳からの抜粋であ?る♪

よって、そのママ転載する。






昭和57年8月7日梅雨も開け、夏本番だ。

すなわち学生どもは、夏休みで遊びまわっているが、我々は暑い中、毎日せっせと働いている。従って羨ましく思うとともに遊びたくなる。

・・・ということで、旧友イバさんとともに青春のびのび切符を片手に太陽輝く南紀の旅に出かけることにした。

今日は土曜日なので仕事は半ドンだが、休みをとって1泊2日の気ままな旅に出る。

どうやら今日も天気はよさそうだ。

早朝6時14分天王寺発の快速電車に乗車する。113系ではなく103系であった。


杉本町附近では先日の台風(※7月31日に襲来した台風10号により大和川水系の氾濫をもたらした大水)の爪あとがあちこちにうかがえ、被害の甚大なるを感じさせる。

久しぶりの阪和線である。鳳や日根野の電車区を眺めながら、また山中渓の鉄橋附近に昔日を回顧するうちに和歌山に到着。

普段ならばまだ寝床にいるはずの午前7時であ?る。

そこからは旧型客車による各駅列車に乗り換える。
C57のいなくなった構内には、代わりに113系が宮前方面から入線してくる。

時代は変わったのである。

しかし、そんな中でも和歌山線のディーゼル車輌や天リウと表記された客車群が当時のまま到着するのは、心安まる。




和歌山からは、7時32分発の新宮行き普通126列車に乗車。

編成は下記のとおり

19820808南紀一周旅行016-1

EF58147+マニ60418+スユニ502052+オハフ33428+オハ47308+オハ46378+オハフ33112

EF58に牽引されて紀州路を南下するという違和感を心に止めながら、紀三井寺附近に数多く見受けられる新築住宅群に驚き、また一方、海南では、野上電鉄のガタピシ電車群のあるを見て安堵したりと車窓の風景を楽しむ。

19820808南紀一周旅行008-1



19820808南紀一周旅行009-1

アイラインがくっきりの海坊主タイプのEF58147・・・二灯シールドが怪しい雰囲気を湛えている。

紀伊田辺駅では、かなりの停車時間となるので、散歩フォト・・・。

19820808南紀一周旅行012-1

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EF15がこんなところまで南下して稼動しているのは、なにか不思議な感慨に襲われる。


19820808南紀一周旅行011-1

ここで牽引機関車がEF5839に交代し白浜・椿と温泉地を進む。

駅に着くたびに、釣り客がよく降りていく。だいぶ車内も空いてきた。

19820808南紀一周旅行013-1

ポカリ利用のリクライニング席・・・旅なれないと、こういう具合にはいかないね♪

19820808南紀一周旅行015-1

紀伊富田駅にて


椿・周参見などはその知名度に比べずっと小さな駅である。


19820808南紀一周旅行017-1

R0017374-1.jpg

本州最南端の串本に到着する頃には正午となった。

19820808南紀一周旅行018-1

串本駅に停車中のわれらが126普通列車


19820808南紀一周旅行019-1

EF5839に連結されたマニ60418は、原型をかなり止めている貴重なものである。



南国の風景は色鮮やかである。

磯浜を見ては隧道に入り、隧道を抜ければまた磯浜といった風景が繰り返されて行くが、徐々に山が険しくなって来た。

捕鯨の太地を過ぎると紀伊勝浦である。

自分の記憶では、ここまで紀勢線で訪れたことがあるが、幼少の頃の記憶ゆえ数に入れるのには恥ずかしい。

那智大社の那智駅の前は、綺麗な砂浜が広がり、カラフルなパラソルの下、多くの人々が海水浴を楽しんでいる。

全開の車窓からは熱風しか入ってこない客車に座すわが身にとっては、それは恨むに十分な光景であった。


その光景を見飽きるほど長時間停車したのち、ようやく発車したと思えば、ほどなく電化の終着地「新宮」に到着した。


(つづく)





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Comment

2010.05.19 Wed 14:42  |  はじめまして

はじめまして。
高校時分に夢野久作に現を抜かし、大学時分に泉鏡花宗になり、そして大学を出て内田百に心を奪われた(勿論現在では3人とも人生の師です)淡島八景と申します。まだまだ20代の若僧ですが、写真の中に見る日本の旧い乗り物が大好きですので、これからも宜しくお願い致します。
まだ当時は和歌山市と新宮を結ぶ旧客はありふれていたのですね。現在ではご他聞に漏れずローカル線の短編成・短距離化が進んでしまいましたが、長距離鈍行に乗ることの出来たあなたが大変羨ましいです。
私も3回ほど紀伊半島一周にチャレンジしたものの、その頃はもうキハ58系も165系もとうに無くなってしまい、何でもう一寸早く乗っておかなかったのかと悔やんでしまいます。

  • #-
  • 淡島八景
  • URL

2010.05.19 Wed 17:50  |  *淡島八景さん こんにちは

コメントありがとうございます。
夢野久作には傾倒しませんでしたが、百鬼園先生のみならず泉鏡花は随分のめりこんだ記憶があります。旧字・旧仮名遣いの岩波文庫は片っ端から読みましたね。
やはり両者とも旧字・旧仮名遣いでないと読んでいても気分がでないです♪

さてさて、阿房列車の南紀編はしばらく続きますのでお付き合いよろしくお願いします。

2010.05.19 Wed 19:46  |  ありがとうございます

早速のご返信ありがとうございます。
ファジーさんも鏡花にのめりこまれたのですね。夢野・鏡花・百の三人が好きだと言ってしまえば私がどんな人間か大体想像できますよね(笑)。
三人とも幻想文学の名手でありながら、三者三様に幻想に対するアプローチが違うのです。文学にファンタジーばかり追求すると泣きを見ることになりますが、文学部出ではない私の考えでは
夢野→意識下、狂気の世界における幻想
鏡花→日本語の綾、言霊、幽玄の世界の幻想
百→理性と諧謔の中に見る、白昼夢の如き幻想
といった感じでしょうか。
・・・すみません、学も無いのにこんな理屈ばかり並べてしまって。

何はともあれ今後もこのブログの更新を楽しみにさせて頂きます。ありがとうございました。

  • #bYLHBN/g
  • 淡島八景
  • URL
  • Edit

2010.05.20 Thu 12:39  |  

紀伊田辺で機関車交換をすることで、非常用動力車を待機させてたんですね。

今、コンテナを送ろうにも、百済から延々トラックで輸送しないといけないんだから。

2010.05.20 Thu 22:19  |  *なにわさん おっしゃるとおりですね

昔の紀伊田辺の機関区の存在価値を考えれば、やはりここで中継地としての役割をしていたのでしょうね。
電化しても以前のしきたりを墨守していたとは立派というか、国鉄らしいというか・・・。

2010.05.24 Mon 23:10  |  

紀勢線の昔の様子を見る度に驚いています。なんてのんびりなんだろう…と。
客車に入って来る夏の暑い風と独特な気だるさが、逆に心地良い感じがします!

  • #-
  • うたに
  • URL

2010.05.25 Tue 12:46  |  *うたにさん こんにちは

そうですね。ブンブンうなって首を振っている扇風機しかない車内は、じっとしていても暑いのですが、当時はそんなものだと思っていましたよね♪

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 阿房(あほう)と云ふのは、人の思わくに調子を合はせてさう云ふだけの話で、自分で勿論阿房だなどと考へてはゐない。
 
 用事が なければどこへも行つてはいけないと云ふわけはない。
 なんにも用事がないけれど、汽車に乘つて大阪へ行つて來やうと思ふ。   
    ・・・内田百閒「特別阿房列車」


        

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長崎の鴉・・長崎阿房列車

段段車窓が薄暗くなり、汽車が次第に濃ひ夕闇へ走り込んで行く時に聞く汽笛の響きは、鼻へ抜けたかさ掻きのやうな電氣機關車の聲よりも、蒸氣機關車の複音汽笛が旅情に相應しい。


          


  いつの間にか窓が眞暗になり、窓硝子に響く汽笛の音が、蒸氣機關車C62の複音に變つてゐる。


          
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